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シートマスク市場--インバウンドで大きく伸長/国内需要も好調

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シートマスク市場--インバウンドで大きく伸長/国内需要も好調

シートマスク2桁増で推移
新たな機能持った商品も

 

 シートマスク市場がここ数年、拡大を続けている。2017年の市場規模は約180億円で、前年比11%増と2桁成長を示した。国内の化粧品市場においては、高い成長率を誇るカテゴリーとなっている。それを裏付けるかのように、シートマスクを展開するメーカー各社の業績は好調に推移。現状や取り組みを追った。

 シートマスクの好調な理由の一つとして、インバウンド需要の高さは無視できない。2014年頃に始まった“爆買い”から、越境ECへとシフトしつつある昨今「中国のシートマスク市場は約20%増で伸長し、1兆円規模だと言われている」(メーカー関係者)。各メーカーは中国における人口の多さや、また、中国だけでなく、スキンケア意識が未成熟な国や地域の今後の伸びを視野に入れるなど、海外市場の開拓を促進している。

 流通関係者は「インバウンドでは、日本ならではの食材や素材を使用した製品や、美白を訴求した商品の人気が高い。中国人はスキンケアにおける“ライン使い”の概念が浸透していないため、シートマスクのように1枚で簡単にケアできるものは手に取りやすく、魅力となっている」と話す。

 また、小売店担当者は「特にドラッグストアでは、セルフ系ブランドのシートマスクの需要が圧倒的に高い。インバウンドの売れ行きももちろん良いが、最近では国内需要もかなり伸びてきている。簡単・時短を叶えるというところが今の時代と合っているのでは」と分析する。

 国内においては、多様化する女性のライフスタイルに寄り添った商品が高い支持を集めており、各社とも、時代のニーズに合った新しい価値の提案を強化。バラエティーストアやドラッグストアなどでは、実に様々なタイプの商品が並んでおり「製品数の増加に伴い店頭の売り場面積も拡大している」(メーカー担当者)ようだ。

 店頭で動きの目立つ商品とは

 「HAKUメラノシールドマスク」(資生堂)や「SK—Ⅱフェイシャルトリートメントマスク」(P&Gプレステージ)などのように、スペシャルケア用として位置づけられている比較的高価格帯の商品への人気や関心の高さとともに、やはり店頭で目立つのは、手ごろな価格、大容量で毎日使える上にラインアップも豊富な「クリアターン」(コーセーコスメポート)、「バリアリペア」(マンダム)、「肌美精」(クラシエホームプロダクツ)、「ルルルン」(グライド・エンタープライズ)などの定番タイプに集中する。

 この他「サボリーノ目ざまシート」(スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー)は、女性の潜在ニーズを捉えた“時短”と“綺麗”を両立するシートマスクとして誕生し、市場を賑わせている。また「プレミアムプレサ ゴールデンジュレマスク」(ウテナ)は、販促にKOLをいち早く起用し、日中合同のローンチイベントを実施するなど、早期から中国市場への訴求に注力。高い支持を集めている。

 新たな機能を持ったアイテムも続々登場

 シートマスクの機能も多様化、細分化し、ある意味飽和状態とも言える現状ではあるが「アットコスメベストコスメアワード2018上半期新作ベストコスメ」で「ベストシートマスク賞」を受賞した、独自性の高い「SAISEIシートマスク」(フローフシ)や、マイクロニードル技術を採用した各種シートマスクなど、新しい機能や可能性を持った製品も続々登場。安定供給とともに、次世代に向けたシートマスク市場の更なる活性化が期待される。

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