市場回復~成長へ各社動く【シャンプー・リンス・ヘアトリートメント&ヘアカラー】
市場回復への動きも活発化
マスク着用の常態化もあって、ヘアケアに気を配る傾向が一段と高まっている。より効果の高い商品、自分に合った商品を求めるニーズも継続する一方、シャンプーなどの市場は前年割れで推移しており、売り場の華やかさの反面、市場回復への動きも活発化している。最近の動きを追った。
経済産業省による今年1~7月の出荷統計では、シャンプーが前年比7・7%減、リンスも15・0%減という実績。反面、ヘアトリートメントは7・9%増と好調な動きを見せる。本紙推計では、8月以降も同様の動きが続いていると思われる。
単価上昇や高価格帯の伸びがプラスにつながる
こうした動向の背景には、ボリュームゾーンである汎用価格帯の商品が苦戦気味なことに加え、大型新製品の数が例年より少ないこと、コロナ禍で積極的な店頭展開が難しかったことなど、いくつかの要因が挙げられている。トリートメントは昨年のこの時期、マイナス成長となっていたが、その反動による上昇分を除いても、単価上昇や高価格帯の伸びがプラスにつながっている。1000~1499円の高価格帯シャンプーは、20年に17%増、その後も成長を継続している。すなわち、外部要因による動きはあっても、コロナ禍の影響以外に基本的にヘアケアに求めるニーズに大きな変化はなく、引き続き各社の新たな提案が重なることで、安定的な成長は続くという見方が強い。
その意味で、これからの各社の展開には期待が掛かる。