花王がキリンホールディングスと共同研究
内臓脂肪と免疫領域の研究技術で健康価値創出図る
花王は、キリンホールディングスと共同で内臓脂肪と免疫の司令塔であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)活性の関連を解明する研究を実施。これに伴い11月24日、東京都中央区のAP東京八重洲で研究成果に関する発表会を行った。
内容は、和歌山県立医科大学が主宰する種疾患の発症に関わる遺伝及び環境要因を明らかにするコホート研究「わかやまヘルスプロモーションスタディ」に両社が参画し、内臓脂肪量とpDC活性の関連を明らかにし、将来的に生活者の健康リスク低減を目指すというもの。生活習慣病に関連が深いとされる内臓脂肪型肥満の研究に取り組む花王と、免疫領域の研究に取り組むキリンの技術を掛け合わせ、生活者に向けた更なる健康価値を探索する狙い。
発表会では、花王ヘルス&ウェルネス研究所の大里直樹特定テーマリーダーとキリンホールディングスの藤原大介執行役員ヘルスサイエンス研究所所長が研究成果を発表。人体の免疫細胞には上下関係があり、その司令塔となるpDC活性がウイルスに対する防御を促すこと、その上で「pDC細胞の活性度合いが新型コロナウイルス感染症の重症度に影響している」(両者)とし、内臓脂肪が多い人ほどpDC活性が低いこと、また内臓脂肪が多くpDC活性が低いと新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの罹患リスクが高いことを説明した。なお、今回の研究成果について両社は「日本で初めて確認できた事実であり、世界でもまだ論文報告されていない」とアピールしている。
(詳細は「日用品化粧品新聞」12月4日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)