【コーセー25年1~6月期決算】0.9%増収
コーセーの2025年1~6月期決算は、中華圏においては減収となったものの、国内で「コスメデコルテ」やアルビオンが大きく伸長し、売上高は前年同期比0・9%増の1605億2400万円だった。一般管理費が増加したことが影響して営業利益が同17・7%減となるなど、利益面では苦戦した。これに伴い8月7日、東京都中央区の本社で説明会を行った。
セグメント別の売上高は、化粧品事業が0・9%増。新規連結対象となった「パンピューリ」の上乗せのあったハイプレステージ、「雪肌精」が堅調だったプレステージ共に増収だった。コスメタリー事業は横ばい。前年同期の大型リニューアルにより出荷ハードルの高さが見られたコーセーコスメポートや「ヴィセ」「ファシオ」が苦戦の一方で、「メイクキープ」は好調に推移した。
地域別では、前述のようにコスメデコルテ、アルビオンが好調だった日本が3・6%増。ブランド価値の棄損を防ぐために過当競争からの脱却を図った中国が減収となったアジアは9・6%減。北米・欧州・その他は横ばいで、「タルト」は現地通貨建てでは前年並みの実績となるも、円建てでは円高の影響で減収となった。なお連結売上高に占める海外の割合は34・7%だった。
連結業績予想には変更がないものの、上期までの業績を反映して、地域別売り上げの内訳の見直しを実施。北米・その他におけるタルトの計画下振れを日本でカバーするものとした。
説明会では松浪慶太執行役員経理部長が決算概要を解説した後、小林一俊社長が基本戦略及び今後の取り組みを紹介した。
小林社長は欧米における事業戦略として、タルトの成長基盤の再構築を明示。店頭消化の回復を優先してマーケティング投資を継続推進すること、チャネル、カテゴリーごとの選択と集中を徹底することを追求するとし「スピーディーな施策で成長してきているので、収益性向上につなげ、営業利益率を2桁以上に引き上げることは可能だと感じる」と期待を寄せた。
グローバルにおける重要拠点と位置付ける日本事業は、コスメデコルテ、アルビオンといったハイプレステージを主軸に利益を創出し、その利益を次なる成長市場へ投下することを見据える。
(詳細は「日用品化粧品新聞」8月25日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)