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【注目ブランド戦略】エステー「エステーペット」で市場へ参入、消臭技術用いた猫用トイレで開拓へ

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【注目ブランド戦略】エステー「エステーペット」で市場へ参入、消臭技術用いた猫用トイレで開拓へ

 独自の消臭技術でペットのにおい問題に新提案

 近年のペットの飼育数増加に伴い、伸長が続くペット用品市場。今年に入り、これまで中止になっていた関連展示会も開催されるなど、注目度が更に高まっている。そんな中、エステーは2月22日、新ブランド「エステーペット」で市場へ参入した。独自の消臭技術を採用した「 実感消臭トイレ」シリーズでペットのにおい問題に新提案を行う。4月の組織改定では、四つに再編した事業部のうち、第2事業部でペットケアを新規戦略領域と位置付け、事業活動を加速させるという。
 ペット関連市場の規模は、2016年の4245億円から20年には5034億円へと拡大した。このうちトイレ用シート、猫砂、消臭剤などの排泄に関連するペットケア用品は745億円から825億円と約10%増。コロナ禍が後押しして、現在も伸長が続く。
 今回、市場に参入した背景には、猫の飼育者の95%がにおいが気になっているという自社調査の結果がある。
 「おうち時間の増加で、ペットに癒やしを求める方が増えていますが、最初につまずくのがトイレ問題。どんなにかわいらしい猫ちゃんも、排泄の処理だけはつらいという声が多く、空気ビジネスに携わってきた当社だからこそ、応援できることがあるのではと考えています」(グローバルマーケティング部門第2事業部・藤平諭志氏)

 「クリアフォレスト」の天然消臭成分を使用

 新商品には、北海道産トドマツの間伐材から抽出した有効成分を活用するブランド「クリアフォレスト」の天然消臭成分を使用。抽出成分の針葉粉体が猫の排泄臭に非常に効果が高いという。ラインアップは猫用システムトイレの「エステーペット実感消臭トイレ」、トイレの中に入れて使用する「エステーペット実感消臭チップ」「エステーペット実感消臭シート」の3種類。
 トイレ本体のスノコ部分に、トドマツの粉体を練り込み、防汚・防臭抗菌加工の布タイプのルーフカバーは開閉可能でにおいの広がりを抑える。消臭チップは、トドマツの粉体と機能性ナノパウダー配合で、尿や糞のにおいに高い消臭効果を発揮。また、消臭シートは、トドマツの粉体とクエン酸のダブル消臭成分を採用。高分子吸収剤が1週間分の尿を吸収するため、交換回数も軽減する。
 「アンモニアなどの疑似悪臭ではなく、猫ちゃんのトイレのにおいを再現するところから始め、開発には時間をかけました。トイレ本体のスノコ部分は排泄の度に汚れ、においの原因になるので、本体にも技術を盛り込み、ルーフカバーは柔らかく壊れにくい材質で安全性も考慮しています。また、猫ちゃんが直接触れるチップは植物由来で安心です」(藤平氏)
 愛猫の写真をアップしたり、インフルエンサーから飼育情報を得たりと、猫の飼い主はSNS利用が活発であるため、プロモーションはウェブを中心に展開する。公式ユーチューブで発売日に公開した商品紹介動画は、再生回数が既に6万回を超えた。また、入念に情報収集して商品の購入を検討する飼い主が多いため、じっくりとブランドを育てていく考えだ。
 「いつものトイレでも置き場所を変えると使えなくなってしまうこともあるほど猫ちゃんは繊細です。シリーズ使用でより消臭効果は高くなりますが、まずは体に直接触れないシートから試していただきたいですね。一度使っていただければ、飼い主様が今までどれほど我慢されていたか実感できるはずです」(藤平氏)
 現在315億円とされる猫用トイレ市場において、5年後のシェア10%を目標とする「エステーペット」。これまで培ってきた「空気」に関わる様々な知見を今後も生かしていくという。今回の新規参入により、大きな可能性を秘めた市場が更に活性化しそうだ。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」4月4日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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