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【世界に発信するブランド旗艦店の仕掛け/資生堂】テクノロジーとヒューマンタッチの融合

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【世界に発信するブランド旗艦店の仕掛け/資生堂】テクノロジーとヒューマンタッチの融合

 初の旗艦店「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」

 「テクノロジーとヒューマンタッチを融合させた美の最新施設」。そう題して資生堂が2020年7月にオープンした、グローバルブランド「SHISEIDO」初の旗艦店「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」(以下、GFS)。今年150周年を迎えた同社創業の地である東京・銀座で圧倒的な存在感を放っている。パーソナルビューティーパートナーでもある石橋由美子店長に、現在の状況と今後の方向性を聞いた。

 多様化する美へのニーズやライフスタイルに対応し、ブランド「SHISEIDO」の世界観を発信し、最新のテクノロジーとヒューマンタッチの融合により美の体験を提供する店舗と位置付けるGFS。「SHISEIDO」が展開する路面店としては世界最大規模を誇り、店舗デザインで”日本の美”を表現し、ブランド全商品に加え限定品をもラインアップする、まさに旗艦店だ。
 石橋店長は「様々なテクノロジーと共に、私たちパーソナルビューティーパートナー(PBP)により、お客さまの状況に合わせて最適な商品を選んでいただけるのがGFS最大のポイントだと考えています。『SHISEIDO』は幅広い年代の方にご愛用いいただいていますが、GFSでは特に20代から30代前半が中心層となっていることも特徴の一つです。美の体験をする上で充実した環境の中、お客さま自身で商品をお試しいただいたき楽しんでいただくことはもちろん、PBPの応対を通じてお客さまの持つ美しさをより引き出すお手伝いもさせていただいています」と語る。
 「美を遊ぶ」をコンセプトとする1階では、スキンケア商品の情報を自分で調べて比較検討できるデジタルテスター「DEGISKIN TESTER」、メイクアップ商品をかざすと詳しい商品情報が提示され、シミュレーター機能により自分の顔で商品の仕上がりイメージも確認できるナビゲーター「MAKE ME UP」などがそろう。30色のファンデーションから、その人に合った色を測定し、すぐに試せるデジタルテスター「FOUNDATION BAR」、手をかざすだけで美容液が出てくるオートテスター「POWER BAR」、自身でスピーディーに「アルティミューン」が購入できるマシンまでそろう。
 2階のコンセプトは「美をつくりだす」。美容のプロたるPBPが一人ひとりの美しさを引き出すための空間と言ってもよい。アプリを用いた、スキンケア、インナービューティー、メイクアップの個別無料レッスンを行い、結果に基づくエクササイズ動画や料理レシピ、あるいはメイクアップのレッスンで録画した内容を提供するなど、コンセプトにふさわしいサービスぶりが目を引く。
 加えて、中心商品の「アルティミューン」など一部対象商品を購入すると、商品にオリジナルのメッセージやイラストが刻印できる無料サービス「MAKE YOUR MARK」を用意。更には、オリジナルで用意したツールの中から自由に選べるラッピングサービス「WRAP IT UP」も無料で利用できるなど、ここでしか体験できないサービスとして、訪れる来店客から好評を得ている。
 一方、店舗の公式サイト内には、「SHISEIDO公式オンラインストア」を設置。各コンテンツの紹介に加え、店舗で体験できる美容レッスンの動画が視聴でき、自宅で実践、商品の購入が可能だ。
 合わせて、PBPが商品や美容法を紹介する映像を生配信するライブコマースも随時行っている。
 「最近は資生堂の研究員や商品開発担当、メイクアップクリエーターなども出演して、季節やその時のトレンドに合わせて様々なテーマで配信しています。視聴者から寄せられる質問や意見を吸い上げ、なるべくリアルタイムでコメントをお返しできるように心掛けています。コロナ禍にあって当初はなかなかご来店いただけなかった遠方の方々も、最近はこうした配信をきっかけにしたご来店が増えてきていることを実感しています。より自分に合う商品、また、その商品の使い方を知るために、体験をお求めになるお客さまも非常に多く、GFSはモノだけでなく“コト”体験ができる楽しい場所という評価を数多くいただいています」(石橋店長)。

 果たすべき大きな役割とは

 地下1階フロアのコンセプトは「美がめざめる」。五感にアプローチし、セルフで行う先端メディテーション体験が可能なカプセル「SOMADOME」を日本で初導入し、当初から話題を集めてきた。自分と向き合うための非日常な空間と時間を得て新たな美が目覚めることを提案するもの。体験した人には、見るものをより美しく感じたり、環境全体を快適に感じたりといった効果が期待できるという。
 GFSでは、これら最新の機器、テクノロジーを最大限活用すると共に、人にしかできないことの重要性も認識し、コミュニケーションを図り満足度を高めてもらうことに重点を置く。まさに接客に当たるPBPの果たす役割もまた、非常に大きなものがあると言える。
 「ヒューマンタッチという意味で私たちPBPは、発信するブランドの価値、様々な情報をしっかりお伝えしていくためのスキルを持ち得なければなりません。お客さまは環境や状況が変わることで多様化していきますし、また、海外のお客さまの来店も今後再び増えることも想定されますので、より幅広く、質の高い対応が求められてくると考えます。店舗としてのステータスも含め『ここで買いたい』と感じていただける拠点でありたいと思います」と、石橋店長は力強く語る。資生堂は「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」を企業使命として掲げる。それを体感できる場所としてのGFSの価値は高まるばかりだ。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」10月17日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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