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【注目ブランド戦略・アース製薬】消費者に寄り添った展開拡充し使いやすさと効果感追求

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【注目ブランド戦略・アース製薬】消費者に寄り添った展開拡充し使いやすさと効果感追求

 粒剤は嫌なにおいがしない点を強く訴求

 園芸用品としては後発ながら「アースガーデン」ブランドの順調な育成により、市場でのシェアや存在感を年々高めるアース製薬。今春は新商品の殺虫・殺菌剤「花いとし」「野菜うまし」で脚光を浴び、来春はそれに続く「いろいろな植物つよし」を発売する。マーケティング総合企画本部ブランドマーケティング部の宮嵜秀一朗ブランドマネージャーに、新商品の特長やシェア増の勢い加速に向けた施策などを聞いた。

 ——まず「いろいろな植物つよし」の開発背景や概要について聞かせてください。
 「いろいろな植物に使える殺虫・殺菌剤の需要増や、複数の植物を栽培している人が多いという消費者実態を背景にしたもので、ターゲットは新たに園芸を始める方や何を使っていいのか分からないという方。粒剤とスプレーをそろえており、この商品一つで野菜や花、観葉植物など様々な植物の虫対策ができます」
 ——粒剤は新規ユーザーの獲得や既存ユーザーの不満解決を見込んでいるようですが、訴求ポイントはどういったものになりますか。
 「特に、粒剤は嫌なにおいがしない点を強く訴求しています。粒剤市場は、園芸用農薬の剤型別構成比で約3割とAL剤に次ぐ規模ですが、市場は横ばいで伸ばしきれていません。お客様の声を聞くと、既存の商品は『においがきつい』という点が最大の不満点となっています。SNSでも、観葉植物を取り上げる方が増えていますが『朝起きたら薬剤のにおいが気になる』といったコメントが多く見られます。嫌なにおいの無さが潜在ニーズを顕在化し、市場の活性化につながる可能性は大いにあると思います。嫌なにおいがしないので、室内やキッチンの鉢植えでも使いやすいと考えています。また、パウチタイプなので、従来のボトルに比べプラスチック量を91・4%※削減しており、エコにつながる商品です」
 ※「土にまくだけ害虫退治オールスター散布器」と内容物1gあたりのプラスチック量を比較して算出
 ——スプレーもそろえていますが、投入の狙いは。
 「AL剤市場は年々拡大しており、専門性と分かりやすさを打ち出した『花いとし』『野菜うまし』も好調で、市場の拡大に貢献している実感があります。ただ、AL剤の中で最も売れているのは非食用植物、食用植物のどちらも使用できる汎用タイプです。最大のボリュームゾーンでもニーズを更に開拓していくのが当社の役割だと思っていますので『花いとし』『野菜うまし』のシリーズと合わせて展開することで、園芸人口の裾野拡大を目指す考えです。また、粒剤は苗の植え付け時や生育途中に予防として、スプレーは成長した作物に使ってもらえるようにと、分かりやすい販促物で併用使いも提案していきます」

 食品由来成分を採用するなど安全かつ優れた効果を追求

 ——食品原料由来の商材ですが、主力の「やさお酢」「ロハピ」の動向や来春の展開はどういったものでしょう。
「『やさお酢』『ロハピ』は、ナチュラル系で効果が高い点が評価され、発売以降、右肩上がりで推移しています。AL剤のナチュラルカテゴリーではトップシェアとなりました。来春は『ロハピ』の850mlのエコパックを投入します。環境への配慮はもちろん、さらなるリピート使いをいただけることを期待しています」
 ——除草剤の展開も活発です。来春は食品原料由来の「おうちの草コロリ」の粒剤(900g入、3kg入)を発売します。
「この商品は、ナチュラル系除草剤ですが、根までしっかり枯らす効果のあるものです。ナチュラル系で根まで枯らすものは当社の新たな技術によるもの。 除草剤市場はずっと伸びており、今年も更に伸びています。中でも、食品原料由来の除草剤は、我々が発売して市場が活性化したと自負しており、市場シェアもナチュラル系においてはトップとなっています。しかし、最近では動きがやや鈍くなってきました」
 ——その課題を解消するため、今回改良を施しています。
 「消費者調査では、除草剤は安全なものを選びたいというニーズが継続して高いのですが、現在の市場動向を見ると、必ずしもそれが反映されていないことがうかがえます。食品原料由来の除草剤を使わない理由については『効果が弱そう』というイメージを持っている人が多いことが分かっています。また、これまで粒剤は塩を使用していましたが、塩害を気にする方もいらっしゃいます。そこで、粒剤には塩は使わずに、新たに、植物にも含まれている食品由来成分を採用するなど安全かつ優れた効果を追求しました。パッケージにも『食品成分生まれ』というこれまで表現してきたワードに加え『根まで枯らして3カ月生えない』という効果感も強くアピールしています」   ——プロモーションについて。御社のSNS施策は業界でも一歩先を行っているように見受けます。
 「ブランド公式キャラクターの『まもるくん』を使ったLINEやツイッター、また、インフルエンサーやウェブメディアとコラボしたプロモーションは、おかげさまで良い評価を得ています。登録者数では、LINEは業界トップクラスで約29・8万人、ツイッターは約4・5万人です(11月24日現在)。お客様に寄り添って悩みを聞き、園芸のアドバイスやお役立ち情報を発信し続けるという当社の取り組みが、市場の発展の一つの鍵になることは間違いありません。
 ——市場の拡大に向け最後にひと言。
 「業界共通の課題は、一度園芸を始めた方を離脱させないことです。商品やプロモーション面で、より分かりやすく、園芸に失敗しないような環境づくりを、SDGs視点の施策も含めて進めることが『アースガーデン』の使命だと捉えています」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」11月28日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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