夏季特別企画「大手３社に聞く殺虫剤・虫ケア用品の巻き返し策」　大日本除虫菊・平野秀穂営業本部長

2019/07/31

―今年は天候の優れない日が続きましたが、状況はいかがですか。
　「今年、ここまでの売り上げ推移を見ると、最も売り上げの高い週は５月最終週です。昨年は６月の最終週、一昨年は７月の第２週が売り上げのピーク週でしたが、今年の６月７月はそこまでの動きを見せていません。６月以降、天候不順や気温も上がらない状態が続き、殺虫剤市場が盛り上がらない状況です。エリア的には、九州除く西日本は前年並みの状況ですが、首都圏、北関東の大きな市場が天候の影響でまったくの不振なことが、市場の数字を押し下げていると言えます」

ワンプッシュ式の効果が伝わっていることを実感

――市場で最大規模の空間用虫よけやワンプッシュ式の動きについては。
　「『虫コナーズ』も悪くはありませんが、市場全体が良くないとやはり成長には至りません。しかし、効果については自信を持っているので、昨年も行った『虫コナーズ』の交換時期をハガキでお知らせするキャンペーンなど使用を促す活動を今年も地道に行っています。そのハガキも昨年並みの応募が来ていることから、ユーザーに当社の意図が伝わっているのではないかと感じています。ワンプッシュ式の『蚊がいなくなるスプレー』は、壁に素早く付着して蚊を効果的に殺虫するというメカニズムを、ここ数年、テレビＣＭなどでしっかり訴求しています。リピーターが増えていることからも、実際に使ってみて効果を感じている人が多いのではないでしょうか」

品質だけでなく使用シーンの価値への理解を

――８月は御社の代名詞でもある「金鳥の渦巻」の動きに期待が高まりますね。
　「今年は、家やお店の玄関先で蚊取り線香を使って、足を運ぶお客様を夏の風物詩でもある『金鳥の渦巻』の香りでもてなす、という内容のＣＭを放映しています。単に殺虫効果だけでなく、おもてなしの気持ちを表現しているわけですが『品質の良い新製品を発売したから使ってください』では本当に伝えたい価値は伝わりません。どのシーンで使えばこのような効果があります、といった情報を発信していくことが我々メーカーの役割だと考えています」（詳細は「日用品化粧品新聞」８月１日号）