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【貝印/丸山雄也次長】特別インタビュー”新たな可能性をとらえて提案”

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【貝印/丸山雄也次長】特別インタビュー”新たな可能性をとらえて提案”
使い勝手追求し様々なユーザーニーズに対応

 刃物を中心に、生活に密着した多彩な商品を展開する貝印。包丁を始めとする調理、製菓用品もユーザーニーズに対応する幅広い品ぞろえを誇っており、新たな価値提案を次々に行ってアイテムを拡充している。ここではマーケティング本部第二ブランド・商品戦略部の丸山雄也次長に、自社の方針や注力品の概要を聞いた。

 ――キッチン関連市場の状況はいかがですか。

 「コロナ禍では外出機会が減少したことが影響し、製菓用品、包丁研ぎ、パン切りなどが伸びていましたが、市場環境は元に戻りつつあります。インバウンドの復活も顕著になってきており、円安の影響もあって百貨店、専門店などがにぎわっています」

 ――様々な業界で値上げが進んでいますが、キッチン用品もその流れにあるのでしょうか。

 「コスト高の影響も大きく、単価は着実に上がってきています。既存品と比較すると新しいものをつくるコストはどうしても高くなりますが、既存品との整合性を保つ必要があります。各ブランドが安定して成長していけるように、価格を抑えながらどう付加価値を持たせるか、トレンドをどう取り入れていくかを考えています」

 ――「関孫六」では新たなラインアップを追加したとか。

 「『関孫六 いまよう』では中華包丁を発売しました。国内でも中華包丁の良さに気づき、注目されて購入者が増えていますが、中国で関孫六のシェアを拡大していくことにもつなげたいと考えています。また、多くのアイテムを展開し順調に伸びている『関孫六 匠創』では、ヨーロッパで主流のパーリングナイフを投入しました。匠創は、価格とデザイン、切れ味のバランスが取れています。コストパフォーマンスが良いラインと評価され、コロナ禍で大きく伸び、関孫六のシェア拡大に貢献しているシリーズで、更に拡販していきたいです。パッケージにはQRコードを添付し、使い方を伝える動画など包丁の特徴を発信していますが、これらのアイテムが認知され、売り上げが伸びるようであれば、他のシリーズでもラインアップの拡充を考えていきたいですね」

 「樹脂製で高級感のあるハンドルを採用した5000円台の新しいラインも発売する予定で、スリムな刃体にして食洗機に対応するなど、現在のニーズをとらえて使い勝手に配慮したものとしています」

 ――関孫六は調理用品も充実していますね。

 「『SELECT100』や『Kai House SELECT』など、関孫六以外でもブランド別に調理用品を出していますが、同じカテゴリーでの差別化をもっと図っていきたいと、3000~4000円台のオールステンレスの小物品を展開します。売れ行きが好調と紹介した関孫六 匠創はオールステンレス製でシンプルなデザインがスタイリッシュだと評価されていたので、同様のコンセプトで単価アップを図りたいと考えています」

 ――包丁ブランドでは「旬」にも力を入れていますね。関孫六とはどのようにすみ分けがされているのでしょうか。

 「旬は、欧米市場で発展してきた日本製の高価格帯の包丁であるのに対し、関孫六は日本の文化に基づき、折れず、曲がらず、よく切れるものを追求してきました。旬は2022年に累計出荷数1000万丁を突破し、昨夏からはそれを記念した限定品『紅炎』を展開しています。ブランドのファンへ向け、持ち運びやギフトにも使えるようにアルミケースと皮鞘をセットにした10万円の限定セットの記念品にしました。縁起が良いとされる赤黒の木のハンドルを採用、紅炎を皮切りに次のステージへと飛躍したいとロゴもプラチナカラーへ変更しており、既存品も順次、切り替えていきます。まだまだ継続して成長を図っていき、これからも新モデルをリリースしていく予定です」

 ――旬、関孫六と並び、家庭用品の注力ブランドとして挙げているSELECT100で注力しているアイテムは何でしょう。

 「ブランド20周年という節目に発売した『グレーター』が注目されています。コンパクトな設計で収納もしやすく、刃体カバーの先端がヘラ形状になっていることもポイントで、裏側に残った食材をこそいで使用することができるなど利便性にも配慮しています。ブランドでは現在80アイテムほどを取り扱っていますが、品ぞろえになくて需要のあるものを投入していきたいと検討しており、新しい商品の計画も進んでいます」


(詳細は「日用品化粧品新聞」6月3日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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