【注目企業キーマンインタビュー】牛乳石鹸共進社/マーケティング部・森雄輝氏
「ミルキィボディソープ」リニューアルの狙いは牛乳石鹼共進社の「ミルキィボディソープ」は、2024年で発売26年目のロングセラー。「バウンシア」「カウブランド無添加」「キューピー ベビー」と合わせ、ブランドごとにボディソープ市場でその存在感を高めている。相次ぐ値上げで節約志向が高まる社会情勢の中、今回はミルキィボディソープのリニューアルを行った。ここではマーケティング部の森雄輝氏に、ブランドの商品特長や更なる成長に向けた施策を聞いた。
――「ミルキィボディソープ」は今年3月に、液体タイプ、泡タイプともリニューアルを行いました。どのような狙いがあったのでしょう。
「多くの競合品がある市場の中で、当社の独自価値を更に高め、ブランドの魅力度を上げたいと考え、フルリニューアルに挑みました。ミルキィが位置する『ファミリーマス』セグメントはボディソープ市場の中でも依然として一番のボリュームゾーンです。リニューアルにより、更に品質にこだわり顧客満足を上げ、しっかりとシェアを獲得することが目的です。また泡タイプの市場も年々成長しており、液体タイプと共に泡タイプについても改良を図りました。両タイプを同時に現在、店頭配荷を進めています」
――市場の傾向を捉えつつ、進化を図ったわけですね。
「複数回分の容量の多い詰替用の構成比が高まっていることも踏まえつつ、従来品の更なる改良を行い、販売店様及びユーザーの方のニーズに対応していくことを目指しました。ロングセラーブランドでもあるため、現在のロイヤルユーザーの声を大切にして品質の向上に取り組みました。また、ミルキィブランドをご存知でない方や使ったことがない方に向けてトライアルを促すプロモーションも積極的に進めております」
――自社調査からはいくつかの課題が見えてきたとか。
「ミルキィボディソープの魅力の一つとして『値頃感がある』ことも社内外で評価されており、ミルキィボディソープのユーザーの方中心に調査を進める中で、既に使っていただいている方にとっては『値頃感がある』以外の価値も多く感じていただいていることが分かりました。ただし、その価値がロイヤルユーザーの方以外には伝わり切っていないことも同時に分かりました。ただ単に価格で選ぶブランドという存在では無く、長く使用していただける品質の価値についてのアピールを意識しました。近年ボディソープ市場では単価の上昇、高付加価値商品への品ぞろえが見られます。一方で、自社調べでは物価高騰により価格を重視される方も一定数いらっしゃいます。改めて消費の二極化への対応として、ロイヤルユーザーの方の使用満足度を高め、更なる顧客拡大に向けた今回のリニューアルにより『泡立ち』や『香り』にこだわる当社ならではのブランドの独自価値をより高められるように進めました」
――具体的にはどのようなことを取り入れたのですか。
「ファミリー向けのボディソープということもあり、購入された方はもちろんのこと、同居されているご家族の方からも満足していただくことが大切です。そのため、購入いただく多くのターゲットのお客様の満足度を高めるために液体タイプ、泡タイプ共に『赤ちゃんから大人までみんな心地いい』と感じられる洗い上がり、デザイン、使用感を追求しました。まず、泡タイプは、赤ちゃんが生まれてから使い始める人が多いことから、特に小さい子供がいるママ、パパをコアターゲットに設定しております。『泡タイプは楽だけど、何回もプッシュするのが面倒』『子どもにはやさしく安心できるものを使いたいけど、大人用、子ども用でボディソープを分けるのは面倒』というお客様の声を受け、1プッシュで出てくる泡量を従来品の3倍とし、泡の弾力やクリーミィさも向上するなどより満足いただける使用感にいたしました。ありがたいことに、リニューアルにより取り扱いいただける販売店様も増え、購入して下さった方からの商品への満足の声、再購入したいという声も多くいただいております」
(詳細は「日用品化粧品新聞」6月10日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)