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【注目ブランド戦略・王子ネピア】「プレミアムソフト」1.8倍のシングル・ダブル展開

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【注目ブランド戦略・王子ネピア】「プレミアムソフト」1.8倍のシングル・ダブル展開

 商品通じてSDGsを強く訴求

 王子グループの1社としてSDGsへの追求を明確に打ち出す王子ネピア。そういった姿勢が流通関係者や消費者含め各方面から支持を高めており、店頭でも他社には無い存在感を強く発揮している。リビングサポート事業本部の藤井英彦営業本部長に、自社の強みや市場発展への施策などを聞いた。

 ――まず業界の課題である価格修正についてはいかがでしょう。
 「価格修正については、当社としても15%以上の修正は必須な状況です。家庭紙に限ったことではありませんが、ありとあらゆるコストが過去にないほどに上昇しており、商品価格に反映させていかないと利益を確保することができません。今春の修正はやや遅れましたが、この秋以降、しっかり進めていく必要があります」
 ――この秋の商品展開については。
 「市場構成比も高まっている長尺のトイレットロールに新製品を投入します。現在市場では、ファーストブランドで1・5倍巻きより長いものは、当社の『ネピアプレミアムソフト』の2倍巻きだけです。柔らかさと長さを両立させた価値が多くの消費者から支持を得てきましたが、今回投入するのは『ネピアプレミアムソフト』の1・8倍巻きです。既存の2倍巻きは、ダブル(白物・ボタニカル柄)の展開のみでしたが、販売要望の多かったシングルを、ファーストブランドの柔らかさを維持した1・8倍巻きとして展開します。合わせて既存の2倍巻きも、消費者に混乱を与えないよう1・8倍巻きに統一しました。入り数は、6、8、12ロールの3種類です」
 ――倍巻きの展開はエコにもつながるという観点から、一つの価値になりますね。
 「そういった意味では、今回の1・8倍巻きは、紙の横幅のサイズを、従来の114㎜から109㎜としています。事前の消費者アンケートで、トイレットロールとして使い心地が変わらないサイズ、かつ限られた資源を有効に使うサイズとして検討し、採用したものです。サイズ変更することで、包装フィルムや配送時のCO2排出量などを抑制し、SDGsの実現へとつなげています」
 ――この春もSDGsにつながる新商品は目立ちました。
 「投入した『ネピアネピeco』シリーズのティシュ5コパックと、キッチンタオル2ロール100カットは、いずれもFSC認証紙を使用しており、ティシュは取出口を従来のフィルムではなく紙製にし、省プラ化を図りました。ボックスはリサイクルにつながりやすいよう、使用後に簡単に折り畳める線を入れています。キッチンタオルは、パッケージを紙製にし、包装の印刷にはバイオマスインキを採用しました。現在は、学校教育でもSDGsの授業が取り入れられており、次世代の顧客を見据える上でも、こういった観点が重要になると思っています」

 ファンサイトから話題提供

 ――御社のシェアも高いキッチンタオル、また、ハンドタオルの市況はどうでしょう。
 「キッチンタオルも長巻きの市場構成比は高まっています。この分野は当社が先駆けですが、おかげさまでトップシェアを維持できています。同じくコロナの影響で市場が拡大したハンドタオルは、昨年の春にボックスタイプを発売しました。キッチンタオルと同じ『激吸収ブランド』で展開していますが、そのブランド力もあって配荷店舗は順調に増えています」
 ――最後に、御社の強みを生かした上での市場発展への方向性を聞かせてください。
 「価格修正はもちろんですが、それ以外に目を向ければ、ブランドや企業の価値向上や、それに伴うファンづくりが重要だと思っています。昨年実施された、あるSDGsに貢献する企業ランキングで日本企業全体の11位、化粧品・トイレタリー部門で2位に選ばれました。また、2020年には日本ネーミング大賞で『鼻セレブ』が大賞を取りました。これも企業価値やブランド力を認められてのことだと捉えています。当社では、公式ファンサイトや公式SNSを通して、話題づくりにつながるような商品展開や、消費者との交流を進めています。今後も『鼻セレブ』のように人気の高い商品の存在を生かしながら『ネピア』ブランド全体の認知上昇やファン拡大を図っていきたいと考えています」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」9月12日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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