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【注目ブランド戦略・カミ商事】ティシュー「Kazaru」にカラーセラピーの効果

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【注目ブランド戦略・カミ商事】ティシュー「Kazaru」にカラーセラピーの効果

 独自の付加価値で存在感強める

 入り数200組の「エルモアティシュー」で、市場での独自の存在感を構築するカミ商事。今年は、ティシューからトイレットロール、ウェットティシュー、キッチンタオル、ペーパータオルまで幅広い分野で新製品を積極投入している。家庭紙営業本部の山口和敏執行役員本部長に、注力する販売施策や市場の可能性などを聞いた。

 ――業界各社の値上げが見られていますが御社の状況は。
 「6月21日の出荷分から、15%という数字を掲げ修正を行いました。現在は8割ほどの達成率です。当社は、ティシューは200組がメインで、枚数の少ない商品の扱いはあまり無いため、修正は比較的しやすかったという部分はあります」
 ――この秋はこれまでに無いほどの数の新商品を発売します。
 「他社との差別化を図る商品で、付加価値化を進めていく考えです。ティシューでは『エルモアKazaru』シリーズに『グラデーションズカラー』を追加しました。『Kazaru』はインテリアになじむデザインが特長で、既存の『クラフティー』『ウッド』は、おかげさまで女性層から高い評価を得ています。『グラデーションズカラー』は、カラーセラピーの観点から、気分を高めたり、落ち着かせたりといった効果のある配色を5パターンそろえ、5箱それぞれに採用したものです」
 ――『Kazaru』シリーズはユーザーの裾野も広がっているようですね。
 「付加価値ゾーンの商品なので、市況にも左右されにくいですし、リピーターも着実に増えています。デザイン性だけでなく、紙質にもこだわっており、当社の柱ブランドになるよう、生産体制も強化しているところです」
 ――ウェットティシューでも「エルモアfukutプレミアムおそうじウェットシート」など付加価値化を進めています。
 「しっかり拭き取りができるよう、従来品より紙を厚手にした他、たっぷりの薬液を浸透させています。除菌99・9%に加え、抗菌機能も1週間持続します。4品のうち、最もpHの高い『アルカリ電解水+アルコール』は、水100%でつくられた洗浄剤ですので、洗剤のいらないナチュラルクリーニングとして、安心感を伝えていきます」
 ――家庭紙とは異なりますが、マスクでも新商品が目立ちます。
 「既存のカテキンマスクのワンランク上の『エルモアカテキンプレムアムマスク』や、使用者が増えている3D立体マスクの『エルモア肌ともマスク』など、日本製として価格競争に巻き込まれない付加価値品を投入します。特に『肌ともマスク』は、マスクカラーを5色そろえ、パッケージをそれぞれ異なる柄にした『ヴィヴィッドアニマル』と、同じく『フラワー』の計8SKUを用意しました。当社は家庭紙からマスクまで『エルモア』ブランドで展開しています。マスクも参入して日が浅いですが、家庭紙の取り扱いのある小売業様は『エルモア』ブランドへの信頼感から、配荷を広げていただいています」

 ペーパータオルの展開拡充

 ――伸長が目立つ長尺のトイレットロールに関しては。
 「長尺市場は、金額ベースで全体の4割を超えるところまできています。当社でも、構成比で通常品を上回っています。品ぞろえは『エルモアピコ2倍巻12ロール』の白物とピンクのシングル・ダブルです。ピンクでパルプ品の2倍巻きは、NBでは他に無いので、その点で各方面から評価を高めています。また、キッチンタオルでも3枚重ねの3倍巻きを今年、ティシューも200組と同じ箱の高さの220組を昨年発売し、いずれも好調な動きを見せています。大容量という価値は様々なカテゴリーで支持を集めていることがうかがえます」
 ――同じく伸びが目立つペーパータオルについては。
 「衛生意識の高まりで市場は拡大しており、今後もこの傾向は続くと思われます。当社でも業務用として発売していましたが、この秋は一般向けに『エルモアトイレに流せるペーパータオル』と『エルモアペーパータオルフラワー』を発売しました。今後も販売に力を入れていきます」
 ――SDGsの推進など、新たに社会的に重視されるものが出てきています。それも含め市場発展に必要なものは何と捉えていますか。
 「SDGsに関しては、昨年11月に企業としてSDGs宣言を行いました。環境配慮の面では、バイオマスインキの使用や、PEFC認証原紙の使用などで推進しています。今後も継続して取り組んでいく必要があります。一方で市場の目下の課題は、やはり価格修正になります。もう一歩踏み込んだ修正をしないと、メーカーとして再生産可能なレベルに達しません。安価なソフトパックの市場拡大など不安材料もありますが、まずはそこをきっちり実現していく必要があると考えています」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」9月12日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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