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【衣料用洗剤市場】高付加価値アイテムで市場拡大中

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【衣料用洗剤市場】高付加価値アイテムで市場拡大中
参入各社による新たな提案、進化相次ぐ

 衣料用洗剤の進化が止まらない――。日用品分野で最大級の市場規模を誇る衣料用洗剤で近年、参入各社による新たな提案が相次いでいる。大手3社の寡占化が進む中でも、技術や機能による差別化、差異化が行われ、それぞれの切り口で商品を開発、店頭で互いにしのぎを削っている。市場と主要ブランドの動向を追った。

 剤型別に衣料用洗剤市場を見ると、経済産業省の出荷統計上では大きく分けて液体タイプが9割近い比率を占める。粉末タイプとの合計は2023年で約2200億円と推計。小売り金額ベースでは同年に2桁伸長、更に今年1~3月も13%増と好調を維持している。

 原材料高、その他各種コストアップから値上げの動きも盛んで、価格の上乗せ分が金額全体の伸びに寄与している面は否めないものの、総じて高付加価値化による単価アップが進み、市場全体を押し上げていることは大きい。打ち出した高機能化や、新たな提案が生活者に浸透していくことで、更なる市場成長が見込めそうだ。

 主要メーカーの最近の動きを見ると、それ以前から続く機能訴求の傾向が加速しつつある。昨年9月にライオンが「NANOXone(ナノックスワン)」を発売。高い洗浄力と消臭力、更に色変化防止の機能を両立させ、更に、それぞれに際立った特長を持つ3種のアイテムをラインアップし、ブランドとしての付加価値を高めた。従来品との比較でも平均単価を引き上げることに成功しており、流通への利益貢献を実現させている。その優位性が浸透すれば、ボリュームの拡大が見込めるとして、積極的にアピールを続けていく。

 「アタック」がブランド別シェアでナンバーワンの座にある花王は、3月にスティック形状の「アタックパーフェクトスティック」に、部屋干しに特化した商品を投入。続いて4月には主力の「アタックZERO」の改良品を発売した。市場での競争が激化する中で、トップの座を維持、更にシェア伸ばしていきたい考えだ。

 今年2月にP&Gジャパンが発売した「アリエール超抗菌プレミアム漂白剤級の洗浄力」は、洗濯物について生活者が持つ代表的な悩みとされる汗臭、生乾き臭、加齢臭に焦点を当て、1本で全て消臭する効果を訴求している。10種類に及ぶ消臭成分を配合し、衣料用洗剤のトレンドでもある消臭機能を際立たせた。同社は市場で一定の構成比を持つジェルボール剤型で圧倒的シェアを誇り、その他のラインアップも豊富、プロモーション効果もあって店頭での存在感が増しそうだ。

 これから暑さが際立つ季節を迎え、衣料用洗剤の需要も拡大していく。中堅メーカーの独自性ある商品も加わり、より熱い商戦が繰り広げられそうだ。


(詳細は「日用品化粧品新聞」6月3日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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