【復調・拡大・発展2023 次の一手を見る/マスク】ファッション性に支持

続く着用生活で新たなニーズ・付加価値が散見
新型コロナウイルス感染症対策で着用が続くマスク。欧米などでは脱マスクが主流となりコロナ前に戻りつつあるが、日本を含め、アジア圏ではまだ着用が続く。そのような中、機能性のみならず、ファッション性にも着目したマスクが広がりを見せている。
2022年度上半期(4〜10月)のマスク市場の動向は、あるデータを見ると、21年度1年間の月平均と比較し、数量が約8%増、金額が約1%増で推移している。コロナ感染者の拡大や、落ち着きなどのタイミングで数字が大きく変わるのが、マスク市場の特徴的な動きで、21年も12月以降に数字が伸びているため、22年度一年間が終わった時点でどういう結果になっているかは予測が難しい。
しかし、コロナ第7波、8波で予防意識を強める人や、外食の緩和などでマスクの付け外しの機会が増え一日に数枚使う人、また、ウレタンや布から使い捨ての不織布ユーザーとなることで毎日新しいマスクを使う人や、TPOに応じて使い分けをする人などが増えたことが、数量の増加につながっていることが考えられる。
本体と耳ひも色の違うマスクが存在感
22年上期以降のトレンドとして、若年層の女性を中心にダイヤモンド型の3D立体カラーマスクの需要が拡大。カラーマスクでも、ベージュ系やピンク系、グレー系の使用率が伸びている。ウィズコロナが続く中、感染症対策としてだけでなく、ファッションに合うおしゃれなマスクの需要が増加しており、マスク本体と耳ひもの色味が異なるバイカラー商品も多く見られる。大王製紙は、ダイヤモンド型かつマスク本体と耳ひもにツートンカラーを採用した「ハイパーブロックマスク かお・スマ」を発売。同様に本体と耳ひもの色を変えたことで女性からの支持を集めるサン・スマイルの「マスコード」も大きく売りげを伸ばしている。
コロナ4年目で新たなアプローチも
「口元の快適性」や「肌にやさしい」といったニーズに対応し、更に差別化された商品も投入されている。シェアトップを走るユニ・チャームは「超快適マスク」シリーズからすっきり軽やかな印象で装着できる「超快適マスクAirlish(エアリッシュ)Light Gray」を発売。ウイルス飛沫の侵入を防ぐ機能性を始め、圧迫感の少ない着け心地といった装着性、軽やかな印象で自然な色合いといったデザイン性を兼ね備え、まだ続くマスク生活に新たな価値を提案している。
旅行などの外出機会も増加し、インバウンドの復調も期待される今年。メーカーはファッション性、更にその次の価値を見出す必要が出てきそうだ。
(詳細は「日用品化粧品新聞」1月1日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)