【復調・拡大・発展2023 次の一手を見る/日やけ止め】使用感や仕上がりを追求

新たなアプローチで関心高まり市場が再活性化
経済産業省の出荷統計によると2022年1〜9月の日やけ止め及び日やけ用化粧品は個数1・9%増、金額12・6%減。苦しい状況にも思えるが、外出機会の増加が追い風となり、好調な推移を見せるブランドは少なくない。近年は新たな剤型、新たなコミュニケーション施策も目立ち、ますます関心が高まっている。
メーカー各社などが紫外線対策の必要性を啓発することによって、世代、性別を問わずに使用頻度が高まっている日やけ止め。夏場だけでなく、通年使用するケースも多くなっており、UVカットするだけでなく肌をきれい に見せたい、スキンケアにつなげたいといったユーザーニーズが強まっている。そんな中で、心地良い使用感、仕上がりの良さなど多彩な価値を持つアイテムが多数登場している状況だ。
コロナ禍にあっては在宅時間の増加、旅行・レジャーの自粛などが逆風となり、数字を落としてきたが、22年は、世界初の成分アプローチ「サンデュアルケア技術」を採用し、紫外線をカットしながら太陽の光をスキンケア効果のある光に変換する「アネッサデイセラム」、ふわっと軽いミクロ泡が肌への塗布時にムラなく広がって素早く薄膜を形成し、明るい素肌へと導く「サンカットプロディフェンスオールインワンUVムース」、FSC認証取得紙やバイオマス容器など環境配慮素材を用いてサスティナビリティに配慮したブランド「アリィークロノビューティ」と、大手ブランドが新たなアプローチによるアイテムを意欲的に展開し、話題を集めた。23年は、塗りやすさ、手軽さで支持を集めるスティックタイプ、すっかり市場に定着したトーンアップタイプなど、人気アイテムで更なる提案が見られそうで、市場の伸長が期待される。
耐水性表す新表示で注目度更にアップ
ユーザーの分かりやすさに配慮
市場活性化につながりそうなトピックもある。日本化粧品工業連合会は紫外線防止効果に対する耐水性測定法の自主基準を設け、22年12月から「UV耐水性★」「UV耐水性★★」などと表記する新表示の運用を開始した。これまでウォータープルーフ、スーパーウォータープルーフなど、各社がそれぞれの基準によって表記するケースが多かったが、明確な基準を設けることで、ユーザーが分かりやすくアイテムを選ぶことができるようになる。なお経過措置期間として、24年11月30日までの2年間は従前の表示を行うことも可能としている。
23年春には、さっそく新表示品の発売も予定されており、話題となりそうだ。
(詳細は「日用品化粧品新聞」1月1日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)