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クナイプジャパンが泡のボディウォッシュ投入、「泡」「香り」「プレミアムな世界観」で差別化

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クナイプジャパンが泡のボディウォッシュ投入、「泡」「香り」「プレミアムな世界観」で差別化

 泡立ちや泡もちの良い泡をつくり出す高機能なポンプを採用


 入浴剤を中心に、プレミアムな品質や香りが支持され、市場での存在感が年々強まるトータルハーバルビューティーブランド「クナイプ」。一昨年には重炭酸入浴剤「スパークリングタブレット」を発売し、ファンの裾野を更に広げている。そんな人気ブランドがこの秋、新たなカテゴリーであるボディウォッシュに参入する。満を持して投入するのは、市場での伸長率も高い「泡タイプ」。クナイプジャパンの大脇明憲社長に新商品の概要や、消費者ニーズの変化、また、ブランドの今後の方向性などを聞いた。

 ――まず入浴剤市場や「クナイプ」の動向を聞かせてください。
 「コロナ禍のおうち時間の増加で2020年は市場規模が前年比20%ほど拡大しましたが、コロナの落ち着きと共に伸び幅も縮小傾向、あるいは前年を下回るという動きになっています。当社も同様の推移ですが、一昨年に発売した重炭酸タブレットの『スパークリングタブレット』については好調です。ダウントレンドの市場を下支えする貴重な存在と言えるのではないでしょうか」
 ――その重炭酸タブレット市場の動きはどうでしょう。
 「市場の勢いは落ち着いており、中でもこれまで人気のあった無色・無香料タイプがやや縮小傾向にあるようです。一方で、香りを訴求したプレミアムラインは前年比2桁増と成長が続いており、当社もシェアを伸ばしています。これまでも一貫してブランドの世界観に合う商品を提供してきました。ファンがそのあたりをしっかり認めてくれていての結果だと思っています」
 ――この秋の主役とも言えるボディウォッシュですが、商談時のバイヤーの反応はどうですか。 
 「おかげさまでバイヤー様からの評価は非常に高く、多数の企業様への導入が決まっています。ボディウォッシュ市場は、約1000億円と大きな規模で、競争は激しいものがあります。その状況下、日本市場において後発の当社は、差別化された付加価値の追求は必須となります。そこで着目したのが伸長カテゴリーの『泡』です。それと、基本的な強みである『香り』、更に、ブランドのバリューでもある『プレミアムな世界観』。これら三つを掛け合わせました。市場では、泡タイプで香りに特長のあるプレミアムラインは、まだ確立されておらず、当社として勝負できるポジションだと捉えています」
 ――泡、香り、プレミアムな世界観を軸にしているわけですね。
 「泡については、試行錯誤を重ね、泡立ちや泡もちの良い泡をつくり出す高機能なポンプを採用しました。香りやプレミアムな世界観については『クナイプ』がファンを獲得し続ける価値、ポイントでもあり、競争が激しい市場でも十分差別化を図れると考えています。なお、消費者調査でも『クナイプ』のユーザーの約4割が、泡のボディウォッシュを使っているという結果が出ており『クナイプ』ブランドと泡のボディウォッシュは潜在的に非常に相性が良いということが言えると考えています」

 
中・高価格帯ボディ市場活性化へ

 ――「クナイプ」は本格的な「香り」を高く支持するユーザーが多いと思われます。
 「ボディウォッシュ市場で伸びているのは、500円以上の中・高価格帯です。その価格帯のユーザーがボディウォッシュに最も求めているポイントは、実は泡立ちや保湿以上に香りの良さでした。当社の調査では、70%の人が香りを重視していると答えています。中でも情緒的価値では、75%が『リラックスした気持ちになれる』を求めています。次に『よい眠りにつけそう』『贅沢な気分になれる』など。これらは全て『クナイプ』の提供価値に当てはまります。『クナイプ』の本場ヨーロッパでも、入浴剤に求めるようなエモーショナルな価値を、ボディウォッシュにも求める傾向が強まっています」
 ――ボディウォッシュの価値を変えていくということでしょうか。
 「我々が提供している理念の『クナイプモーメント』は“クナイプと共に過ごす幸せなひととき”という意味があります。今回の新商品も、体を洗うというコモディティー的なものではなく『クナイプモーメント』を体感いただく商材として位置付けています」
 ――そのボディウォッシュのラインアップはどのようなものでしょうか。
 「『グーテナハト ホップ&バレリアンの香り』と『ハッピーフォーミー ロータス&ジャスミンの香り』の2種類です。『グーテナハト』は夜、眠り、リラックス、『ハッピーフォーミー』はリゾート気分、新しい朝、アクティブのイメージを追求しました。“ナイト&デイ”の世界観を非常によく表現できていると思います。コロナが落ち着き、消費者の香りへのニーズも、これまで高かった癒やしやリラックスから、明るさやアクティブさをイメージさせる香りへと徐々に変わってきています。『ハッピーフォーミー』には、そういった意味でも期待しています。『グーテナハト』は、シリーズの中でも人気の香りで、ボディクリームやハンドクリームもそろえています。ユーザーの中には『グーテナハトの香りを共通で使いたい』という声も多く、そういった方たちはもちろんのこと『クナイプ』を使ったことが無いという方が、ボディウォッシュを入り口に、他の『グーテナハト』、あるいは8月発売の炭酸入浴料の新商品『クナイプ スパークリングタブレット ハッピーフォーミー』とボディウォッシュを一緒に、とそれぞれ共通した香りの商品をシリーズで使っていただけるような流れができればうれしいですね」
 ――「クナイプ」はバスソルトなど入浴剤のイメージが強いですが、そこから脱却したい考えですか。
 「海外ではボディケア、ボディウォッシュの構成比も高く、決して入浴剤のブランドというイメージではありませんので、日本でも『トータルハーバルビューティーブランド』という位置付けを強めていきたいと考えています。今回のボディウォッシュは、そういった意味でも戦略的重要性の高い商品です。ちなみに、2019年の調査では『クナイプといえば入浴剤しか知らない』という人も多かったわけですが、今年の調査では、入浴剤以外のカテゴリーを知っている人が半数近くになりました。ボディウォッシュは、入浴剤のようにどちらかというと嗜好品ではなく、デイリーで使うものですので、店頭でより多くの方に目にしてもらえるものと期待しています」
 ――新市場参入に当たって売り方はどういうイメージを持たれていますか。「クナイプ」ではシリーズをまとめて陳列する売り場も見られていますが。
 「『クナイプ ブランドブロックシェルフ』と名付けた、シリーズを一堂に陳列する売り場は、現在560程の店舗様で展開いただいております。店頭での最も重要なブランドコミュニケーションで、実施している店舗と、実施していない店舗では売り上げに5割程の差がある結果となっています。一堂に陳列されていることで『クナイプ』のハンドクリームがあることに気付き、購入に至るケースなども多々あります。つまり、売り場が離れているとハンドクリームの存在に気が付かない人にアプローチする効果があると言えます。最初は導入に苦労しましたが、最近ではおかげさまで導入したいという企業様も増え、年内には600店舗への拡大を見込んでいます」
 ――次のカテゴリーの進出を含め今後の展開やビジョンなどを聞かせてください。
 「具体的なプランはお話しできませんが、ブランドの価値と世界観を壊さずに『クナイプモーメント』を伝えられる機会を創出する新カテゴリーへの参入は常に検討していきます。日本で我々の価値を提供できるようなものであれば、本社で展開していない商品でも『スパークリングタブレット』のように日本主導で開発していく考えです。我々の大きなミッションは、先ほども申しましたが『トータルハーバルビューティーブランド』に育てていくこと。その一環として、今秋には、商品の販売も行うブランドサイトを立ち上げる予定です。日本の店頭では売っていない商品の情報や、ブランドの世界観、サステナビリティに関する取り組みなどをまだまだ発信していかなければなりません。ブランドコミュニティーを広げてロイヤル層及び新規層を増やし、生涯にわたって使ってもらえるよう、活動の質を高めていこうと思っています」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」8月14日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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