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【注目ブランド戦略・アース製薬】「イヤな虫 ゼロデナイト」で潜在ニーズ顕在化

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【注目ブランド戦略・アース製薬】「イヤな虫 ゼロデナイト」で潜在ニーズ顕在化

 約50年ぶりの新規作用性有効成分で発売前から注目集める

 世界初の新規作用性有効成分を用いた「イヤな虫 ゼロデナイト」や、蚊・ダニを寄せ付けない液体式の「マモルーム」など、今春のアース製薬の新商品は話題を集めているものが多い。トップシェアメーカーとして市場全体の活性化を図るという使命を着々と具現化しているようだ。社方雄常務営業本部本部長に市場の状況や生活者の意識の変化などを聞いた。
 ——今年ここまでの虫ケア用品の市況はどうですか。
 「7月10日までの週を見ると累計で前年比3・3%減という状況です。3、4月は昨年も好調でしたが、今年の3、4月は更にそれを上回りました。一転、5、6月は天候不順でマイナスとなり、梅雨が明けた6月27日以降は一気に気温が上昇し、単週で2桁増が約2週間続きました。そして7月中旬から雨がまた多くなり、前年割れするなど、アップダウンの差が目立っています」  ——今春の新商品の動きはどうでしょう。
 「『イヤな虫 ゼロデナイト』は、約50年ぶりの新規作用性有効成分で発売前から注目を集めていました。『虫を見たくない』という生活者需要は年々高まっており、特にワンプッシュタイプは、空間にプッシュするだけで1年間虫を寄せ付けないという効果が支持され、3000円前後と高価格帯にも関わらず引き合いを強めています。『マモルーム』も、コンセプトの『予防』という観点が多くのお客様に伝わっているのではないでしょうか。見た目もシンプルでインテリアに馴染みやすいデザインにしていますので、それも好評をいただいていると感じています。蚊用とダニ用をそろえていますが、ダニ用の動きが特に良いです」
 ——既存の商品で期待するものは。
 「やはり『サラテクト』ですね。人体用虫よけはコロナによる外出自粛で市場がシュリンクしましたが、今年は前年比1・6%増で推移しています。コロナの感染状況が今後どうなるか分かりませんが、昨年を上回ることは間違いないと思います」
 ——ここ数年、好調が続くゴキブリ用市場はいかがですか。
 「ゴキブリ用市場は、今年は前年に達していませんが、昨年当社が発売した『おすだけアースレッド 無煙プッシュ』は、前年を上回って推移しています。ワンプッシュで駆除、予防ができる手軽さへの需要は引き続き高いものがあると捉えています」

 過去のデータや知見を活かし、顧客目線を大切に変化に対応

 ——今後の市場拡大に向けた施策などはどういったものがありますか。
 「8月の第1週、2週が販売の一つの山になり、ここに向けて店頭をしっかりつくることが重要です。店頭づくりについては、販売促進をサポートするEMALを活用しながら強化し、販売の取りこぼしのないように努めていきます。その時期に需要の山場を迎えるハエ・蚊用は、前年割れが続いていますが、この市場の売り上げを高めることで全体を底上げできればと考えています。昨年は7月の最終週以降が、天候不順などで虫ケア市場が大きく前年割れしました。今年は順調にいけば、8月は2桁増の週が増えると期待しています」
 ——カテゴリーの課題でもある返品改善についても積極的な姿勢を見せています。
 「虫ケア用品は、夏が販売のメインであることは間違いありませんが、秋口でも気温が高く、秋冬まで掛けた通年商材になりつつあります。返品の改善は、当社の使命であり、地球環境に配慮した取り組みでもあります。卸売業様、小売業様と連携しながら返品削減に努めていきます」
 ——最後に今後の方向性などを聞かせてください。
 「市場全体の拡大を目指すには、当社がやるべきことを、自分たちが見失わないようにする必要があります。気候や人流の変化など過去と同じ日、月はありません。過去のさまざまなデータや知見を活かし、お客様目線を大切に変化に対応していきたいと思っています」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」8月1日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で
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