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コロナ、値上げ、SDGsへの取り組み加速へ、課題解決への道筋はあるか

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コロナ、値上げ、SDGsへの取り組み加速へ、課題解決への道筋はあるか

 社会の動きや消費者意識が反映された動きを示すカテゴリーが目立つ

 2022年も上半期を過ぎ8月入りした現在、業界の市場環境は決して良い方向に向かっていないと、多くの関係者が指摘している。続くコロナ禍の影響はもとより、ロシアによるウクライナへの侵攻と円安の問題、原燃料や資材の価格高騰、これに伴う値上げ要請ラッシュと、程度の差はあれ各社共に厳しい状況にあることは間違いない。果たして今後、どのような道筋をたどることになるのだろうか。
 依然として続く新型コロナの影響
 すでに3年近く経過した新型コロナウイルス感染症の問題は、繰り返す感染者の増減と、依然として対応への方策や意識の一体感が醸成されないまま今日に至っている。全国的に第7波の感染拡大傾向にあるが、7月の3連休などでも特に行動制限はなく、これからお盆、秋の行楽シーズンを迎えに当たり、その後の状況を懸念する声が大きくなりつつある。関連市場の動向にも引き続き関心が寄せられ、規模が大きく拡大して定着した感もあるマスクや、その使用拡大に伴い低迷したメイク用品、成長しつつあるスキンケア用品などはもとより、テレワークの一部定着に伴う在宅時間の増加で需要が伸びたもの、またその反動減、更に反動からの回復と、社会の動きや消費者の意識が如実に反映された動きを示すカテゴリーが目立つ。
 最近になってまた感染拡大が報じられているが、以前と違うのは生活者の意識と行動だと専門家が指摘するように、引き続き警戒感が色濃く残る。これが生活や購買、消費行動にどれほどのインパクトを持って影響してくるのか。コロナ問題が今後も、依然として各方面に難しい選択を迫ることになりそうだ。
 一部解禁された外国人観光客の訪日は、現段階では人数の制限もあることで、かつてのように市場の数字に大きく影響するほどのパワーを持ったインバウンド需要に戻るにはまだ時間が必要なようだ。

 コスト高と値上げ、必須となったSDGs対応

 一方、業種・業態、あるいは業界のいかんを問わず大きくのし掛かる値上げ問題。原材料や燃料が相次いで値上げ、更に数次にわたる価格改定が控えているという。物流費、人件費、その他ありとあらゆるコストが上昇しており、多くの企業が価格引き上げを余儀なくされ、更に先々のコストアップ要因を見据えて、次の一手に悩むところも少なくない。
 社会的な値上げの風潮に、大手小売業の一部の中にはあらがう姿勢を見せるところも存在する。同業者間の競争など、個々の事情はあるにしろ、川上から川下、更にその先の生活者も、適正な価格とは何か、何のために価格を引き上げねばならないのか、ひいては生活者の収入アップや社会全体が円滑に進むためにどう動くべきかとの視点に立って活動してほしいと、供給サイドの多くが感じているに違いない。果たして各社の価格改定がどこまで進むか、引き続き注目される。
 当然のことながら、普段から購入、使用している商品の値上げに対して消費者が賛同することはほとんどない。これだけ様々な分野で、これほど一斉に価格が上昇するのは仕方のないことと思いつつも、自らの家計に直結することだけに、生活防衛の名の下に今後も商品選択の目は一段と厳しさを増しそうだ。
 また、SDGs達成に貢献しようという動きは、加速度を増して活発化している。企業活動のほとんどがこれに関連したものとなり、そうでなければ商品・サービス共に受け入れられにくい状況にある。業界内外で企業や団体、自治体の枠組みを越えて連携する動きも目立ち始め、持続可能な社会の実現へ向けた取り組みが各方面で今後ますます中心になると見られる。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」8月1日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で
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