本紙セレクト2024年・業界10大ニュース

国内における2024年7~9月の実質GDP成長率は0・2%、その後も同レベルの増加率で推移していると言われている。昨年来、原材料を始め様々なコスト上昇に伴い、商品やサービスの高付加価値化を絡めた値上げの動きが活発化し、それなりに実績を積み上げてはきたが、あらゆる機を捉え販売金額の上昇を図ってきた産業界にとって、この数字は「景気回復の速度が遅い」という認識を強める結果と言えそうだ。
一方で、訪日外国人の数は過去最高を更新した。コロナ禍が明けて回復に向かうとの予測はあったものの、これほど短期間で急増するとは、良くも悪くも予想外。モノからコトへと消費の中心が移行しながらも、国内経済に恩恵と課題をもたらしている。また、近年は恒常的とも言える夏の猛暑も、市場に悲喜こもごもの状況を招いた。この時季に売れる商品は売れ行きを伸ばし、その前後で売れているはずの商品は苦戦。年間計画を大幅に変更する企業も現れている。 これら以外にも様々抱える課題について、個々ではなく複数の力で対応、対策を進めていこうという動きが目立ち、コラボ、共同、協業、共創など、そんな文字が紙面を賑わせた一年でもあった。
① イオン、ウエルシア、ツルハ経営統合協議開始
② 躍進続ける韓国コスメ。PBも活性化
③ 小林製薬の紅麹製品が社会問題に
④ 各メーカー、協業で新展開
⑤ 新たな高付加価値品が続々
⑥ 日用品サプライチェーン協議会設立
⑦ 花王とアイスタイルが「RNA共創コンソーシアム」
⑧ 大手メーカーによる「GHG」共同実証
⑨ 物流2024年問題に各社対応⑩ 全卸連新会長就任、来年交代へ
ちなみに2023年の納刊号はこんな内容でした
新型コロナウイルス感染症の位置付けが、「5類感染症」に移行した2023年。20年から人々の生活に、あまりに大きな影響を与えたコロナ感染による各種の現象や制限も収束。訪日観光客が増加したことによるインバウンド需要の復活もあり、日用品化粧品市場も安定推移が見られた。 様々な分野での値上げも昨年同様進み、世の中の物価上昇に伴う生活防衛意識の高まりで、各市場の数量面での苦戦が見られた。 記録的な暑さも大きなトピックスの一つ。各地で35度以上の猛暑日数が過去最多を更新した。 新たな提案では、ここ数年進んでいた、フェムテック、ジェンダーレス、LGBTQなどの価値訴求や売り場提案が顕著に見られるなど、社会や時代の流れに合わせた展開が市場でも一つのキーワードになった。
(詳細は「日用品化粧品新聞」12月9日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)