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【市場探訪】ボディソープ&ハンドソープ

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【市場探訪】ボディソープ&ハンドソープ
高付加価値化が叶える市場の継続的な成長

 安定的な推移を見せるファミリーユース、著しい成長で今後の構成比拡大が期待されるパーソナルユースと、ボディソープ市場が活況を呈している。同じく身体洗浄剤の括りとなるハンドソープは、コロナ禍での規模拡大からその後の反動を経たものの、この間に清潔意識が広がりニーズも多様化、引き続き安定した動きを示している。
〈ボディソープ〉
 それまで固形の化粧石鹸が主体だった身体洗浄剤だが、現在の中心的存在である液体ボディソープが認知され始めたのは1980年代中盤。湯船に浸かり温まるスタイルに加え、若年層を中心にシャワーのみで済ませる入浴スタイルも見られるようになり、より簡便に使える新たな習慣を提案する商品として花王が「ビオレu」を発売したのが転機となった。
 以来40年、年を追うごとに規模を伸ばしてきたボディソープは、日常生活の中に定着し、いまやすっかり必需品と位置づけられる。
 2024年時点で、市場規模は1100億円を超えた。前年比にして5%ほどの増加。今年1~3月でも3~4%の増加が見られる。この10年ほどの増加率を見ると、コロナ禍で影響を受けた21年、22年に1%以下の伸びにとどまったものの、それを除けば平均5%程度の伸長を続けてきた。これを支えてきたのが、その都度登場してきた新商品で、これが全体に少ない、あるいは無い年は成長性が鈍化している。常に新たな提案が求められている市場であり、テーマは洗い上がり、洗い心地、洗いやすさから肌への優しさ・いたわり、香り、容器の使いやすさ、またコスパ、タイパにいたるまでニーズは多様化。参入する企業、対応する商品も数が多く、シェアは分散傾向にある。
 「ビオレ」ブランドでシェアトップを走る花王によると、近年は高付加価値・高単価の商品が増え、価格帯別の金額構成比にも変化が表れているという。ボディソープ1ml当たりのユニットプライスが0・7円未満で汎用の液体ボディソープが多い「バリュー」、0・7円以上1・5円未満で泡タイプや保湿系商品などが中心の「ミドル」、1・5円以上で敏感肌用、薬用デオドラント、またコスメブランド、メンズ用などに多い「ハイエンド」と定義づけた場合、その構成比はミドルが約4割、バリューとハイエンドが3割ずつ。バリューが最大の数量ではあるものの、単価の高い商品ほど伸び率が高い。実際、24年の前年比伸長率は、ハイエンド9%増、ミドル5%増、バリュー1%増と明確に開きがある。
 一方で大容量化が進む詰め替え用商品も比率を伸ばしているが、メーカーの担当者は「価格が二極化することよりも、詰め替え用も上位ランク商品に移行して平均単価が上がるような戦略をとりたい」と語る。そのための新たな提案が今後も続々と登場すれば、更に市場拡大を後押しすることになりそうだ。
〈ハンドソープ〉
 ボディソープ以上にコロナ禍の影響を色濃く受けたハンドソープ市場だが、24年の前年比は6%増と堅調に回復の道のりをたどっている。21年との比較では5%減、22年比で1%減というレベルだが「需要がピーク時を迎えた当時は、手が洗えて殺菌・除菌ができればいいというニーズだったが、最近はより手に優しいもの、洗い上がりの手の感触が良いもの、良い香りのもの、必要以上の成分が無添加のものなど、より質の高いものを求める声が上がっている」(メーカー担当者)ことから、これに合わせた高単価な商品が増えつつあるという。
 市場ではライオン、花王が豊富なラインアップと提案力で2強を形成するが、多くのメーカーが参入しており、上位をうかがう施策を展開し、商品数の増加も相まって店頭はにぎやかさを増す。
 また、ここでも詰め替え用の大容量タイプが拡大する傾向にあり、構成比を高めている。環境配慮の視点はもとより、ハンドソープの使用率、使用頻度、使用継続率を高めていくためには欠かせない商材だけに、引き続き高付加価値商品の登場に、流通関係者の期待は高まっている。
(各社記事4面~)
(詳細は「日用品化粧品新聞」6月16日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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