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【家庭紙市場】“市民権” 得たペーパータオル/長尺ロール更に拡充

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【家庭紙市場】“市民権” 得たペーパータオル/長尺ロール更に拡充

コロナの影響で続く構成比の変化

 コロナ禍による新たな生活スタイルの浸透で家庭紙の市場構成比が変化している。衛生意識の向上や、在宅時間及び内食機会の増加でペーパータオル、キッチンペーパーが高い伸びを見せる一方、ティシュ、トイレットロールは前年割れが続いている。今年はそういった背景から、大手各社が伸長カテゴリーの勢いを更に加速させる新製品を積極的に投入している。市場のトレンドでもある長尺トイレットロールの動きと合わせて各社の動きを追った。
 今年1~6月の家庭紙市場は、前年比でティシュが3・6%減、トイレットロールが0・7%減で推移(当社推計)。ティシュはペーパータオルとカニバリを起こしていることが一つの要因で、トイレットロールは、業務用が苦戦する一方、在宅時間の増加で家庭での消費量が増えて前年並みといった理由が考えられる。
 一方、ペーパータオル、キッチンペーパーは大きく伸長。特にペーパータオルは昨年、前年比80%増と飛躍的に伸び、キッチンペーパーも5・3%増と勢いの良さが目立っている。

ペーパータオル、キッチンペーパーが拡充

 今年は、大手各社が設備増強などを通じ、ペーパータオル、キッチンペーパーを多数投入。大王製紙は「エリエールプラスキレイ」のボックスと新たなソフトパックのペーパータオル、「ラクらクック」のソフトパックのキッチンペーパーを発売。日本製紙クレシアは好調の「スコッティファイン洗って使えるペーパータオル」のカット数増加品や厚手タイプを追加、また、タオル事業を統合したクライフ社が扱う業務用で高いシェアを持つ「タウパー」のソフトパックのペーパータオル5SKUを投入。王子ネピアは既存の「激吸収キッチンタオル」のソフトパックに加え、ボックスを発売している。特にペーパータオルは、これまで店頭でも業務用のものが多かったが、一般向けのデザインや機能を備えたものが増えるなど、もはや市民権を得た商材として市場の構築を進めつつある。

トイレットロールの長尺化が生み出す効果

 今年の業界の大きな出来事と言えば、やはり日本製紙クレシアが3月31日をもって通常のトイレットロール12ロールの生産を終了し、1・5倍巻き、2倍巻き、3倍巻きなどの長尺ロールの展開にシフトしたことだろう。家庭紙は、他のカテゴリーに比べ、物流費の負担が圧倒的に大きく、かつ積載効率を重視したノーパレット配送による手積み手降ろしといった状況が、ドライバーへの負担や作業の長時間化を招くなど、以前から多くの問題を抱えてきた。今回の日本製紙クレシアの決断は、積載効率の上昇他、様々な課題解決に向け、本格的に舵を切ったもの。商品がコンパクトになったことで、メーカーや卸売業だけでなく、小売業には売り場やバックヤードの省スペース化、陳列や品出しの効率化、消費者には買い物頻度や取替頻度の減少、保管場所の省スペース化、また、環境面では、配送時のCO2排出量の抑制や、包装フィルムや紙芯などのごみの削減といったメリットをもたらす。

(詳細は「日用品化粧品新聞」9月13日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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