スキンケア特集2021/肌悩み増加、バリア意識も向上

多様化するニーズに各社対応
新型コロナウイルス感染症の影響から、苦境に立たされている化粧品業界。三度、緊急事態宣言が発出されるなど、いまだ厳しい市場の状況が続いている。経済産業省の出荷統計では、2020年1~12月の皮膚用化粧品は個数12・1%減、金額13・2%減。外出機会の減少に直結するメイクほどではないものの、インバウンド需要の高かったアイテムを中心に大きな落ち込みが見られた。ただ一方で、美容液、男性皮膚用化粧品が軽微なマイナスに留まるなど、苦戦が予想された環境の中で健闘した商材も少なくない。 メーカー各社もこの状況に手をこまねいているわけではなく、オンラインカウンセリングの充実、Eコマースの拡充、インスタライブの発信など、従来は見られなかった新たな仕掛けに取り組んでおり、アイテムへの興味を喚起し、買いやすい環境を整える施策を進めている。
新アイテム登場で売り場拡大へ
その中で引き合いが強くなっているのは、肌への優しさをうたう商材。メーカー関係者は「マスク着用の増加を始めとした新型コロナウイルスの影響で、肌の不調を訴え、自分が敏感肌だと考える人が増えている。ニキビ、肌荒れ、乾燥といった具体的な悩みも増加しており、市場として間違いなくニーズは高まった。新たなアイテムが登場することで売り場も拡大しており、研究部門では肌に優しい素材、原料などの調査が進んでいる」と明かす。同じブランド、シリーズにあっても、フリー処方を採用したアイテムの方が目立つ動きを見せるといったケースも関心の高まりを表す顕著な例と言える。
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