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【特別インタビュー】小林製薬/豊田賀一社長~豊田社長に聞く未来への羅針盤~

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【特別インタビュー】小林製薬/豊田賀一社長~豊田社長に聞く未来への羅針盤~

部門間で相互理解求める機運を促進

 小林製薬は、豊田賀一社長の就任から1年を迎えたことを受け6月24日、大阪市中央区の本社で合同取材会見を実施、当日は業界紙各社からの質疑応答に応じた。豊田社長はどういった施策で発展への道を切り開こうとしているのか。就任以降の取り組みにおける手応えや、今後の展望などを聞いた。
 ――現状の課題として、これまでの属人的な開発スタイルからの脱却に取り組んだとか。社内で変化したことは何でしょう。
 「かつては、社員一人ひとりが自由闊達に商品開発に打ち込み、担当者の突破力で一気に推し進めるスタイルが弊社の強みでした。しかし、これはやりがいがある反面、専門性が高まりにくい側面があると考えます。そこで、私たちは各分野の専門グループの知見を結集し、共につくり上げる『共創』の姿勢を高めることに注力しました。昨年、通期で取り組んだ『組織風土改革プロジェクト』の成果もあり、現場での対話が大幅に増えたと考えます。また、部署間で相互理解を深める機運も醸成されつつあると実感しています」
 ――研究開発部門と製造、品質安全保証の3部門を統合した新施設「彩都(さいと)ものづくりラボ」を大阪府箕面市に開設し、今春稼働しました。組織変革を進める上で、絶好のタイミングでの開設だったのでは。
 「ワンフロアのオープンスペース化による恩恵は大きく、各部門が日常的に円滑な意思疎通を取れるようになりました。また問題発生時にも、担当者同士が即座に膝を突き合わせ、現物を見ながら迅速に議論できる環境が整いました」
 ――昨年の国内における売り上げ動向を。
 「特筆すべきは、家庭内の“10大悪臭”に特化した消臭剤シリーズ『消臭元ZERO』です。近年では、介護やペット関連の需要増も相まって無香タイプの市場全体が好調で、消臭元ZEROは、そこに科学的なアプローチを加え消臭効果を更に高めました。お客様からも、既存品を上回る評価を得ている他、詰め替え用や今春発売したスプレータイプへの展開も含め、確かな手応えを感じます」
 ――海外事業の市況を教えてください。
 「中国市場では、一昨年の流通側による買い込みの反動に加え、実需の伸び悩みから市中在庫が滞留したことで、昨年は『熱さまシート』が苦戦を強いられました。これにより、昨年の上半期は業績が落ち込んだ一方、現在は在庫調整が一巡し、4月単月の中国大陸での実績として売り上げが前年同期比約20%増と、伸長しつつあります。その他のエリアも、総じて好調に推移しています。アジア市場では『熱さまシート』や『カイロ』『アンメルツ』と、主力3ブランドがけん引し、オーストラリアでは『メガネクリーナふきふき』が売り上げを伸ばしています。また北米市場においても、昨年はカイロ関連商品が大きく引き合いを強めました」
 ――セルフケア意識に向けた考え方は。
 「例えば、高齢化社会での『年齢を重ねても健康に過ごしたい』という思いに漢方薬はとてもマッチすると思います。そのため、弊社でもセルフメディケーションへの取り組みを成長領域の一つとして掲げています。今後は、スイッチOTC医薬品の胃腸薬『イラクナ』に加え、過敏性腸症候群の再発症状改善薬『ギュラック』を今秋発売する予定です。処方箋なしで買えるOTC医薬品に関しても、しっかりと注力していく考えです」
 ――脱炭素や、持続可能社会の実現に向けた目標は。
 「2030年までにグループ全体のGHG(温室効果ガス)排出量において2018年比でScope1,2を51%、Scope3を15%削減する計画です。お客様に対する品質と安全性の保証を最優先としつつ、企業としての社会的責任も同時に果たしていければ。この他、『ブルーレット』ブランドから今春発売した『ブルーレット除菌EX グリーンレーベル』は、使用済みペットボトルなどからつくられたPET樹脂を100%使っています。引き続き、こうした環境配慮への取り組みを推進します」

(詳細は「日用品化粧品新聞」8月1日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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