【注目企業トップインタビュー】アルベール・インターナショナル/二谷欣哉社長”「ナノバブル」で人の暮らしを豊かに”

洗濯用、キッチン用、園芸用など多彩に展開
“ナノバブル”という言葉がほとんど知られていなかった時代から、自社で研究・開発し数多くの特許を取得するアルベール・インターナショナルは、日本初となるナノバブル発生ホース「洗濯革命ナノバブール」を2018年から発売している。同年にシャワーホースも開発し、現在ではキッチン用、園芸用など多岐に展開。どれも5000円を切るリーズナブルな価格で、シリーズ累計販売数は100万個を超える。黎明期のナノバブル市場をいち早く切り拓いた二谷欣哉社長に、これまでの歩みとこれからの目標について話を聞いた。
――まず二谷社長のご経歴について教えてください。
「近畿大学の商経学部を卒業し、大手百貨店の外商部で約20年勤務しました。そこで、企業やメーカーさんに新たな付加価値をつけるための様々な提案をしていました。例えば目薬メーカーに携帯用ミニポーチを付属させることや、すしチェーン店とキャラクターをコラボさせるなど、他社との差別化になることを提案していました。その後、09年に独立してアルベール・インターナショナルを創業。当初は社名のArt Verre(フランス語で「手作りのガラス」の意)の通り、自分が好きだったガラスの食器類や陶器、プラスチック製品の輸出入を中心に商社として営業していました」
――独立したきっかけは。
「百貨店時代、外商の仕事は経営者や企業のトップと接する機会が多く、そんな方々に接するうちに『いつか自分も、お客様に喜ばれる商品を自ら生み出す仕事がしたい』という思いが日を追うごとに育ってきて。『このまま定年まで同じ人生を歩んで後悔しないだろうか』という気持ちが強くなり、挑戦しないまま人生を終えるより、自分の可能性を信じて踏み出すことにしました」
――ガラス食器などの輸出入を経て「ナノバブル」を開発するまでの過程は。
「設立してから6年ほど経った頃、主力のOEMの受注が徐々に減少し始めたのです。当初は景気や市場環境による一時的なものと考えていましたが、その後も減り続け、最後にはゼロになってしまいました。このままでは会社が存続できない。そんな強い危機感を初めて抱きました。その時に考えたのは『他社の商品を売るのではなく、自分たちにしか作れない商品を持つ会社にならなければ生き残れない』ということでした。そしてその答えを探していた時に出会ったのが『ナノバブル』でした」
――エンジニアや研究者と一緒に開発したのですか。
「いいえ、私が開発しました。私は文系出身で技術もなれければ水のことも分かりませんでした。ただ、それでも『ナノバブルは人の暮らしを豊かにする』と直感しました。洗濯、シャワー、調理、農業、水産業など、水は毎日の暮らしに欠かせない存在です。その水の可能性をもっと引き出すことができれば多くの人の暮らしを変えられるのではないか、そして会社を立て直し、家族を支えることができるのではないか。この思いに駆られ、毎日3Dプリンタを使って立体模型を作り自ら性能を測定し改良点を洗い出し、また試作品を作る。少しでも性能が向上する可能性があれば、何度でも設計を見直しました」
――大変な苦労をされたのですね。
「とにかく必死でした。収入がほとんどなくなり、昼は研究開発し、夜はコンビニで働こうと本気で考えた時期もありました。当時は東京の大学に通う一人娘の学費のこと、生活費のこと、会社の存続…。生活費は借り入れに頼りながら娘の学費を何としても払い続け、研究開発に没頭する毎日でした」
「今はおかげさまでナノバブルに関する特許を10件取得し、洗濯、シャワー、キッチンなど家庭向け製品を展開するまでになりました。またBS12チャンネルで『ロバート馬場ちゃんのクッキング革命』という番組をスポンサードし、約2年にわたりナノバブールに関する調理技術の検証を行うという新たなことに挑戦中です」
(詳細は「日用品化粧品新聞」8月1日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)




