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【マーケティング事例に迫る/変化するUGC施策の最前線・アライドアーキテクツ】成果につながる「運用型UGC」

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【マーケティング事例に迫る/変化するUGC施策の最前線・アライドアーキテクツ】成果につながる「運用型UGC」

 掲載、効果測定・改善、生成のPDCAサイクルが必要

 近年、UGCを活用したマーケティングの重要性が認知され、取り組みを強化している企業が増えているが、必ずしも期待通りの成果を得ている企業が多いとは言えないのが現状だろう。そこにはどのような課題があり、どのような解決方法があるのだろうか。運用型UGC」を提唱し、そのソリューションでもある「Letro」を展開するアライドアーキテクツの村岡弥真人取締役に、UGCの効果的な運用方法と今後の展望を聞いた。
 ——UGCの活用に注力する企業が増えていますが、市場に変化はありましたか。
 「ここ数年はデジタルマーケティングを取り巻く環境は大きく変わっていませんが、年々より厳しい状況になっていると言えるかもしれません。CPAのバーは上がり続けていますし、消費者庁の通販に関する規定も厳しくなりました。獲得パフォーマンスが上がりにくくなる中、リテラシーの高くなったユーザーが信じるものはお客様の声であるUGCだという理解が深まり、ネット上にUGCが溢れ始めている状態とも言えますが、UGCを単純に掲載すればヒットするという段階は終わりました」
 ——大量のUGCが生み出されている中で、効果につながるのはどのようなものでしょう。
 「例えば『話題だったので使ってみた』『こんなテクスチャーだった』というような流行性や機能性を語ったUGCは、SNSなどで偶然商品を知ったユーザーの興味喚起にはなりますが、商品について詳しく知りたいと、自ら検索してLPにたどり着いたユーザーにとっては物足りない内容です。その場合は、商品を継続使用するとどうなるのか、その人が憧れるライフスタイルまで想像できるような、深みのあるUGCの方がマッチするかもしれません。私たちは広告やLPと同様に、UGCも顧客のインサイトに合わせて最適化する必要があるという考えの下、それを『運用型広告』に倣って『運用型UGC』と名付けて提案しています。運用型広告やLPでSKUや流入ユーザーの属性、活用するチャネルごとに訴求を調整するように、UGCも目的や場面に応じて成果の出る見せ方や内容は大きく異なります。成果を定量的に把握した上で、適切に活用し入れ替えを行うこと、そして更に効果的なUGCを生成するというPDCAサイクルを回すことで、大きな成果につなげることが可能となります」

 顧客が何を感じているか分析し価値再定義

 ——ユーザーごとに最適なUGCは違うということですね。狙い通りのUGCを生成するにはどんな方法がありますか。
 「インフルエンサーなどへのアプローチも大切ですが、一つにはLTVが高いユーザーに対してコミュニケーションを取ることです。顧客の中から複数回購入している人や数年間継続利用している人を抽出して『誰かに勧めるとしたらどう伝えますか?』『3年間使った感想は?』など、欲しいUGCが醸成できるようなレビュー項目を用意するのも良いでしょう。また、ギフティングを実施する際にも『悩みの種類』や『家族構成』などのフィルターを掛けることで、依頼先をセグメントした深みのあるUGCを得ることができます。大量かつ継続的にUGCを生み出すことが理想ではありますが、そこまで多くなくてもコンテンツの鮮度を落とさ図に中長期的にギフティングを実施し、UGCの幅を広げて量を担保することを意識することが重要です」
 ——ユーザーの特性を理解してアプローチする必要がありますね。企業側はまず何から始めればよいのでしょうか。
 「CVRが上がるUGCは良い顧客体験を提案しているものだと捉えているので、私たちがサポートする際には商品やブランドの持つ価値の再定義から始めます。かつては『他社には無い良い成分を使っていること』などが価値だと捉えられていましたが、現在は機能性よりも体験が重要視されていると感じます。パッケージを開けた時にユーザーの心をつかむメッセージが書かれていたり、継続購入した方へスペシャルギフトを用意したりといった間接的な顧客体験も有効ですね。顧客とつながる新たな手段がUGCでもあるので、顧客が何を感じているか分析し、仮説を立て、時には実際の広告に使用して反応を見ながら価値を再定義します。企業側が気付いていない情緒的な価値を見いだせることもあるでしょう」
 ——改めて商品やユーザーを深く理解し直すことで、新たな気付きが生まれそうです。取り組み続ける大変さは想像できますが、メリットも大きいですね。
 「これまでUGCやSNSの効果は数値化することができなかったために、市民権を得ることが難しい部分がありましたが、当社の提供する『Letro』のようなUGC活用ツールを導入することで、効果を可視化できるようになり、売り上げへの貢献度も明確になりました。運用型UGCに取り組む企業様には、広告クリエイティブと同じくらいのスピード感で意思決定を行うことをお願いしています。戦略的にUGCを生み出すことや、LPなどの既存施策と連動させてヒットするUGCを探ることは大変ですが、数値を見ながらPDCAを回せるツールを効果的に活用することで、市場全体が活性化する一助になればと考えています」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」8月5日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で
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