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【マーケティング事例に迫る/変化するUGC施策の最前線・サンスター】継続購入促進に運用型重視

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【マーケティング事例に迫る/変化するUGC施策の最前線・サンスター】継続購入促進に運用型重視

 「緑でサラナ」顧客増に向け新規・継続を使い分け

 サンスターと言えば「ガム」や「オーラツー」などのオーラルケアブランドが市場で強い存在感を放っているが、通販事業における飲料の分野でも、販売本数2億本を突破する商品がある。「サンスター 緑でサラナ」。コレステロールを下げる野菜の力(SMCS)を含んだ日本で唯一の特定保健用食品だ。この商品がUGCの活用でどういった売り上げ増を果たしてきたのか。ダイレクト統括部ダイレクト営業部の西村将也氏に導入の経緯や、手法への考え方などを聞いた。
  ——「緑でサラナ」とデジタルの関係性はややイメージのしづらい面もありますが、いつからデジタル販促に本格的に着手したのでしょう。
 「『緑でサラナ』の生活者への情報発信は、以前は新聞などオフラインのメディアが中心でした。10年ほど前からデジタル性を打ち出し、それによって、売り上げへの効果が見えてきたのが2015年頃。ちょうど生活者のデジタルでの購買体験が世の中全体として浸透してきたタイミングだったと思います」
 ——中でも一般ユーザーのコメントでもあるUGCの活用に積極的ですね。活用のきっかけなどについては。
 「まずは、当社の『緑でサラナ』を試してもらうことを目的に、その入り口の広告クリエイティブとして、主にSNS広告でのUGC活用に目を向けました。広告クリエイティブでの情報発信は、メーカー側が制作した、いかにもな雰囲気の広告を流すより、ユーザーが普段投稿しているような内容のほうが、特にSNSのタッチポイントとしてなじみやすいのではないか、と思ったのがきっかけです。実際に今では当たり前に見掛けるようになってきています。その後、ページ内へのUGC掲載など新規ユーザー獲得のコンテンツとして活用の幅を広げていきました。2020年の夏頃から、継続購入を促すコンテンツにも力を入れています」
 ——「緑でサラナ」とUGCの相性や、活用の効果などはどうですか。
 「相性は非常に良いと思います。効果については『緑でサラナ』のお試しサイズを用意し、そこから本サイズの購入につなげるようにしていますが、コレステロール対策の選択肢が他にも多い中、比較検討して『緑でサラナ』を継続購入してもらうには、中立的な立場のユーザーによるUGCが効果的であることは間違いありません。もちろん、品質の確かさがその前提にあってのことになりますが」

 UGC起点でのタッチポイントの新設や新商品開発に生かす

 ——成功例が分かる具体的な数字はどういったものがあるのでしょう。
 「UGCを掲載したLPを通してユーザーを獲得したCVRは、掲載する1年前と比べ、1・1〜1・3倍ほどに改善しています。元々転換率の高かったお試し期間中の本商品への転換率でも同等の効果が出ており、売り上げ増に貢献していることは数字にも表れています。LPで効果が高いと感じたUGCは、メルマガやオフラインの制作物に利用するなどタッチポイントを広げています。また、売り上げについても、昨年は前年比120%増(オンラインに限る)と好調に推移しています」
 ——UGC活用を成功に導く要因については。
 「UGCを取り入れても、そのままにしていては、最大の成果を得ることができません。常にPDCAを回す運用型UGCを目指す必要があります。当社ではアライドアーキテクツさんの『Letro』を活用して、より精度を高めていくもの、継続するもの、変えなければいけないものなどを常に分析し、手を加えています」
 ——「Letro」の採用が御社にもたらした影響などは。
 「現場の人間から考えると、様々な手法が非常に楽に進められます。コンテンツの入れ替えなどは手間が掛かるものですが、そのあたりの協力も得ていますし、決して多くはない当社の人員でも、少ない作業工数でPDCAを回すことができています」
 ——UGC活用について気を付けていること、また、今後の方向性などについて聞かせてください。
 「UGCはユーザーのフェーズによって内容が異なります。新規ユーザーなのか継続購入なのか。新規であれば味についてのコメントを紹介し、継続の人には『朝食時にいつも飲んでいます』『お風呂上がりに飲んでいます』など生活に溶け込んだシーンを伝えるようにしています。UGCを通して、いかに顧客への自分ごと化を図れるか。インサイトに触れ、タイミングによってコンテンツを変えることが重要になってくるわけです。また、元々『緑でサラナ』はユーザーも多く、一からのスタートではなかったのでUGCの導入はしやすい面がありました。目に見えて良い成果が現れてきているので、今後はUGC起点でのタッチポイントの新設や新商品の開発に生かすことができるかなどを検討していたいと思っています」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」8月5日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で
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