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【マーケティング事例に迫る/変化するUGC施策の最前線・オルビス】リアルな声受け止め改善

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【マーケティング事例に迫る/変化するUGC施策の最前線・オルビス】リアルな声受け止め改善

 ニーズに合わせた運用心掛けてUGC生かす

 創業以来「肌が本来持つ力を信じて、引き出すこと」を信念とし「ここちを美しく。」をブランドメッセージに掲げてビューティーブランドを展開するオルビス。その思いに共感するユーザーへ向けて多彩なスキンケアを中心に商品を展開し、注目を集めている。ここではメディア戦略部AD・リテンション戦略グループの照井真規子グループマネジャーに、発信力強化やユーザー獲得に向けた戦略を聞いた。
 ——アライドアーキテクツ社の「Letro」を導入し、効果が出ていると聞きました。
 「広告などからの遷移先であるランディングページ(LP)でUGCを紹介するなど、ECサイトやSNS活用を進め、新規ユーザーの獲得、そしてロイヤルユーザー化に取り組んでいますが、Letroを使用しない場合に比べてCVR(顧客転換率)は最大1・21倍改善したと見ており、購買への転換率が大きく向上し、獲得効率の向上につながっています」
 ——UGCの活用に積極的に取り組むようになった背景は。
 「『オルビスユー』は2018年にリブランディングをしました。『肌が本来持つ力を信じて、引き出す』という商品の思いに共感するユーザーが増加し、成長しています。またクレンジングの『オルビス オフクリーム』は、頑張った肌と心をほぐすことがテーマで、五感に働きかけて科学の力で“ここちよさ”を実現する容器、テクスチャーとしています。このコンセプトへの反響も大きく、口コミがたくさん集まり、LPで紹介したところ大きな反響がありました。ただ、自分たちだけで発信できることには限界があります。Letroの良いところは、自由に柔軟にUGCを入れ替えられ、反響のあるコメントや季節ごとに合ったコメントを前面に出したりできる作業性の高さです。これまでは手作業で非常に時間がかかっていましたが、管理画面上からワンクリック、ツークリックで実現できるなど、工数削減のメリットは大きいと感じています」
 ——ブランドとUGCの親和性の高さも感じるとか。
 「当社は『自分らしく、ここちよく年齢を重ねる』という「スマートエイジング」という提供価値を提唱していますが、年齢にあらがわない、自然体でいる、生活感があるといった商品、企業姿勢と、UGCは相性が良いと感じます。ブランドの象徴商品である『オルビスユー』、オルビスユーシリーズの最上位ライン『オルビスユードット』、ニキビケアシリーズ『クリアフル』、メンズブランド『オルビスミスター』、うるおいによるブライトニングシリーズ『オルビスブライト』といった豊富なスキンケアラインで積極的に導入する商材を広げています」
 「初めて商品が手元に届いたときの感動はUGC生成につながりやすいですが、長期利用者がどう肌が変化していったかなどの話は、投稿を呼び掛けないと生まれづらいものです。どのような情報が求められているのかを探り、常にユーザーとコミュニケーションを図っていくことも重要です。ベストなタイミングでキャンペーンを活用するなどして、UGCがあふれている状態に導くことも必要になります。アライドアーキテクツさんには、Letroを通じてUGC生成の支援もしてもらっています」

 Letroの操作性の高さ活用

 ——「Letro」では“運用型UGC”という運用モデルを採用していますが、これもうまく活用できているようですね。
 「例えば、リスティング広告経由でLPに遷移した人は『オルビス』を既に知っていて商品に興味がある“顕在層”と言われる人が多いことから、ハウツーの情報が求められることが多く、SNS経由のLPでは初めてオルビスに触れる“潜在層”と言われる人が多いため機能性を訴求する必要があるなど、それぞれのニーズに合わせた運用が求められています。SNSの広告と言っても、インスタグラム、ツイッターで反応が違ったりしますし、流入元によって見せ方を変えていく必要があり、どういうインサイトで入ってくるか、どういう見せ方がふさわしいか、に対応しているところです。トレンドを敏感に捉える必要があり、アライドアーキテクツさんのサポートは大変ありがたく思っています」
 ——今後も新たな仕掛けが求められていきそうです。
 「UGCはただユーザーに届けるだけのものではありません。リアルな声を真摯に受け止めて、自社のサービス改善、パワーアップにつなげることも重要です。そのため、良い意見だけを紹介しないことも心掛けています。機能が物足りなかったという人の中には使い方を間違えているケースもあり、こちらからの説明が足りなかったという気付きをもらうこともあります。昨年、今年でUGCの見せ方、活用方法はどんどん変わってきました。移り変わりが早いため、次の施策を考えていく必要も感じます」
 「8月23日には『オルビスユー』がリニューアルします。肌の基礎体力に着目し、うるおいに満ちた、変化にゆらがない肌へと導きます。こちらでも積極的にUGCを活用していければと考えます」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」8月5日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で
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