スキンケア特集 肌の負担軽減求める声強く優しい使い心地が人気に

付加価値品、やや単価の高いものを求めるケースが増加
経済産業省の出荷統計によると、2021年1〜12月の皮膚用化粧品は個数6・2%減、金額11・4%減だった。前年に比べて減少幅は少なくなってはいるものの、マイナスで着地した。外出機会の減少、マスク着用の増加から、大きく落ち込みを見せるメイクアップアイテムと異なり、スキンケアアイテムは善戦が伝えられてきたものの、数字面からは苦しい状況が伝わってくる。
ただ、肌荒れケアニーズの強まりや“巣ごもり美容”“おこもり美容”といった形で、コロナ禍においてスキンケアが話題となっていることは確かだ。アイスタイルが、口コミ情報を元にして毎年発表している「アットコスメベストコスメアワード」でも、20年、21年と2年連続でスキンケアアイテムが総合の1位、2位を独占。ストレスを受けやすい肌の調子を安定させたいという気持ちが反映されるなどして、各種アイテムが支持を集めている。
項目別に見ると、洗顔クリーム・フォームは個数2・9%減、金額1・8%増。肌荒れ、ニキビの増加によって洗顔への関心が非常に高まり、優しい使い心地で余計なものを落としたい、肌への負担を軽減したいと、これまでよりも付加価値のあるもの、やや単価の高いものを求めるケースが増えていると見られている。優しい使い心地ということで言えば、敏感肌対応をうたうアイテムが市場で目立ってきていることも特筆すべき点だろう。
更に好調なのはモイスチャークリームで、個数7・4%増、金額13・2%増と成長。肌の保湿、保護といった働きを期待され、カテゴリーの注目度アップにつながっている。
日常使い、通年使用などに適した日やけ止めの投入も
また、この春は日やけ止めで、太陽の光を変換してスキンケア効果を更に拡充したもの、新感覚の使い心地を持たせたものなど、新たな技術を活用した提案が目立っている。外出機会の減少から大きく打撃を受けたカテゴリーだが、昨年下半期以降は単月の比較で前年比プラスとなる月もあるなど、回復傾向も見て取れる。レジャーシーンに対応して高いUV効果、落ちにくさを担保したアイテムに加え、使用感の良さを追求した日常使い、通年使用などに適したアイテムの投入も目立ちつなど活性化が見られている。
一部メーカーで「美白」という表現を使わなくなった一方で「肌の明るさ」「透明感」などを求める声は引き続き強く、今後、気温の上がる時期に向けて美白アイテムと共に存在感を増していきそうだ。
(詳細は「日用品化粧品新聞」5月23日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)