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【オーラルケア市場】健康志向の高まり、コロナ禍の清潔意識の広がりで成長性キープ

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【オーラルケア市場】健康志向の高まり、コロナ禍の清潔意識の広がりで成長性キープ

 ハミガキの高付加価値化進み、市場規模は金額ベースで拡大

 ——健康維持・向上のために最大の安心安全を提供する。メーカー担当者がそう語るように、オーラルケア市場に課せられた使命は、商品やサービスを通じて広く人々の健康増進に寄与することに他ならない。カテゴリー間の格差はあるものの、市場全体は堅調な動きが続いている。最近の状況と今後の動きを占ってみた。

 コロナ禍が継続する中、オーラルケア市場の金額の成長も続いている。ハミガキは言うまでもなく、高付加価値化が進んでいるとされ、2021年の市場規模は金額ベースで前年比2〜3%拡大したと、主要メーカーでは分析する。
 反面、数量や個数ベースでの伸びはなく、むしろ減少傾向にある。要因は様々だが、結果的には参入各社が投入する新製品及び各種商品の平均単価が上昇していると考えられる。従来の健康志向の高まり、コロナ禍における清潔意識の広がり、何よりこれらのニーズに応えるカテゴリーとしてオーラルケアが認知されてきたことが、成長を支える最大の理由と言える。
 今年に入ってからも、その傾向が続いていることを表すような実績が見られる。
 昨年初頭こそ前年の大幅な需要拡大からの反動でマイナスに振れた時期もあったが、そこからの回復というレベルを超える勢いで今年のハミガキ市場は活発だ。歯科医に行かずセルフケアを重視するという人が増えたことも影響していると考えられ、特に、美白機能をフックとした新製品が相次いで登場し、販促策も奏功して人気を集めている。また、より高機能、確かなエビデンス、安心・安全を追求したアイテムも大きく伸びる傾向にある。
 「コロナ禍で高まった健康志向をベースに、マスクを外した際の見られ方を気にする人が増えるなどして美白カテゴリーが上乗せに近い形となっている」(メーカー担当者)というように、複数の要因が重なり現在の活況につながっていると見られる。

 30代以下の若年層の取り込みが課題のハブラシ

 その反面、ハブラシの回復は道半ばといった状況にある。20年の減少から、21年の復調ぶりは期待されたレベルに届いていない。付加価値化が進んでいることは間違いなく、単価も少しずつ上昇して前年を上回ってきてはいるものの、関係者は「外出、買い物の頻度などが戻り切らない状況にあって、数量面では伸び悩んでいる」と打ち明ける。ハブラシについて関与度が低いとされている30代以下の若年層の取り込みが課題で、高い機能性や価値をいかに認知、購買につなげられるか、各社の挑戦が続きそうだ。
 洗口液・液体ハミガキは、引き続き安定した成長を見せる。21年の伸び率は前年比4〜5%と推測され、売り場の活性化も目立っている。更に期待が高まるのは、詰め替えバウチの投入による需要喚起だ。環境問題、エシカルな消費に関心を持つ、主に若年層をターゲットに、大手メーカーが主要ブランドで訴求、新たなライフスタイル提案に今後のユーザーがどう反応するか注目される。
 加えて、一段と期待が高まるのは、歯間ブラシやデンタルフロス、舌クリーナーといった歯間・口中ケアアイテム。ほとんどのカテゴリーで「プラスワンの提案を積極的に進めていることで、売り場も拡大傾向にあり、確実に実績を伸ばしている」(メーカー担当者)という。21年の伸び率はトータルで5〜6%に上る。未使用者の比率も高く、これから更に伸びるポテンシャルを秘める。そのためにも、各アイテムの認知拡大が求められるところだ。

  (詳細は「日用品化粧品新聞」5月30日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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