【ボディ・ハンドソープ市場】人気を集めていた泡タイプが引き続き好調

コロナ前の2019年との比較では3%増と成長傾向に
コロナ禍で市場が拡大したハンドソープ市場。その反動で昨年累計の売上規模は、前年の39%減だったが、コロナ前の2019年との比較では、3%増とプラス成長の傾向がうかがえる(経済産業省生産動態統計より)。ボディソープも、コロナ禍での除菌意識の向上や、おうち時間の増加などから一時特需も見られたが、現在はボディソープ本来の洗浄需要によって前年並みから数パーセントの増加といった推移が見られている。原料高や製品価格への転嫁といった難題を前に、市場はどういった状況にあるのか。
ハンドソープ ハンドソープ、ボディソープ市場共に、この春の動向はやや落ち着いた感がある様子。2020年のコロナ騒動で特にハンドソープは市場や店頭が混乱したが、今年3月の前年比では数量が3%減、金額が6%減と、前年を上回ってはいないものの回復基調が見られている。メーカー、小売、また、消費者もハンドソープという存在に対し、コロナ前の価値観を持って商品の販売や購入、使用をしているという表れではないだろうか。
剤型では、以前から人気を集めていた泡タイプが引き続き好調。今後もその傾向は強まりそうで、いかに泡タイプを拡大していけるかが市場活性化の大きな鍵になることは間違いなさそうだ。
泡人気でボディソープ市場の単価上昇
泡タイプが全体をリードしている点では、ボディソープも同様。コロナに関する規制も緩和され、外出ムードが高まることが予測される今後、市場の活性化に期待する業界関係者も多い。
あるメーカーの見立てでは、泡タイプの平均単価は液体に比べて約1・8倍であることから、近年、市場単価が上昇傾向にある。更にそれを押し上げるのが、詰替用の大容量の好調ぶり。容量別の構成比では、600㎖以上の中・大容量のシェアが、17年の8・8%から20年は17・0%にまで高まっているという。メーカー関係者は「泡と大容量の伸びで、市場の平均単価は3%ほど増加している。今後は、泡タイプの付加価値化、ブランドの育成を更に進めていくことが成長のポイントとなる」と見据えている。
無添加の「泡」ボディソープが20年に前年比12%増
ボディソープの付加価値化で見れば、保湿や無添加、消臭・防臭、オーガニックなどが挙げられるが、保湿にプラスアルファの機能が求められる時代に突入したとも言えそうだ。ここでは、もう一つの主要価値でもある無添加について注目してみたい。
最近では、顔と同様、自分が敏感肌だと思う人の増加や、肌に安心できるものを使いたいという需要の高まりで、ボディソープも無添加をうたった商材は好調な動きを示している。特に20年は、前年比8%増と大きく伸びた。中でも市場全体同様、泡タイプの伸びが顕著。20年が12%増、21年が3%増で、無添加の剤型別構成比でも75%と液体を大きく上回っている。無添加ボディソープのメーカー別シェアは、牛乳石鹼共進社やマックス、ミヨシ石鹸、シャボン玉石けんなどが高く、これらのメーカーの動向を見れば、無添加に関する消費者需要の多様化や変化を確認することができるかもしれない。
(詳細は「日用品化粧品新聞」6月13日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)