【ハウスホールド特集】衣類に加え「洗濯槽」へのアプローチ拡充

付加価値化進む商品提案
高単価が続く衣類用洗剤市場。人口減に伴う数量減を高付加価値化による単価アップでカバーしている状況で、浸透率がほぼ100%に近いながら、単価アップで市場の活性化につなげているという点では、ハミガキ市場に似た動きとも言えそうだ。昨年の市場の販売金額は、前年比7・5%増の約2930億円。剤型的には、粉末が縮小している以外、最大ボリュームの液体汎用(前年比約10・0%増)、液体濃縮(同約7・0%増)、ワンショットタイプ(同約5・5%増)と全て成長傾向にある。それぞれ付加価値化が進み、また、大容量タイプの引き合いが強まっていることが成長の大きな要因と言える。
今春のブランド別の動向を見ると、プラスアルファの価値を「洗濯槽」に見いだしたアプローチが多く見られる。
まず主要ブランドのそれぞれの動きを見てみる。昨年の対前年金額比が12%増、トップシェアの座をより強固にする花王は「アタック ZERO」をリニューアル。洗濯槽のバイオフィルム内の菌に対して除菌効果を発揮し、衣類だけでなく洗濯槽のニオイに対する高い消臭力を実現。また、除菌・防カビ効果も発揮し、普段の洗濯で洗濯槽のメンテナンスフリーを可能とした。
昨秋「NANOX one」をリニューアルしたライオンは今春、企業限定で「NANOX one 抗菌×時短」を発売。すすぎ0回で洗濯時間がわずか15分で完了する時短の価値を強く打ち出した。合わせて、同じく企業限定で「NANOX one洗濯槽の防カビボール タテ型専用」を発売。薬剤を入れたボールを洗濯槽の中に入れ、洗濯物と一緒に洗うだけで、洗濯槽の防カビと、衣類の消臭に効果を発揮するもので、発売5日間で半年間の計画をクリアするなどの人気ぶりを見せているという。
P&Gジャパンは、市場唯一の展開と言えるジェルボールを今春も強化。「アリエール ジェルボール プロ」は2粒使いすることで、洗濯槽・フィルター・排水口まで洗濯機及びその周辺をまるごと消臭する価値を打ち出した。また「ボールドジェルボール4D」は、使用後2日目のタオルはニオイが気になる、という消費者の声に応え、爽やかさが2日間続く効果を訴求している。
生活者ニーズを見ても、洗剤に求める機能に今年大きな変化があった。花王の調査によるとこれまで長年1位だった「汚れ落ちが良いこと」から、今年ついにトップが「生乾きのニオイを防ぐこと」に入れ替わった。単身世帯や共働き世帯の増加、また、外干しをあえてしない人の増加などから増える「部屋干し」が、これまで以上にニーズとして表れていることがうかがえる。この傾向は更に強まることが予測されることから、衣類の消臭、そして今回の洗濯機消臭の効果は、市場の勢いを拡大させる大きなポイントになり得そうだ。
(詳細は「日用品化粧品新聞」6月8日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)

