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【ヘアカラー市場】手軽で髪に優しい「カラートリートメント」が伸長

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【ヘアカラー市場】手軽で髪に優しい「カラートリートメント」が伸長

 2022年の出荷実績は個数が前年同期比2・2%増、金額が1・3%減

 通勤、通学や旅行などで外出する機会も増えていることから髪色を楽しむユーザーも増え、今後の展開も期待されるヘアカラー。新型コロナウイルス感染症が収まりつつあり、美容室で髪を染める人が増え、市販品が落ち着いている状況中で、使いやすさに加え、しっかり染まること、生え際などを一時的に染められることなど、各社は新たな機能性や新色といった様々な付加価値を提案し市場拡大を図っている。

 経済産業省の統計によると、2022年のヘアカラー出荷実績は個数が前年同期比2・2%増の2億3419万3270個、金額が1・3%減の971億7924万1000円だった。21年は個数が0・9%増、金額が2・2%減だったことから、2年続けて個数増、金額減の傾向になる。  
 本紙調べでは、白髪染めは個数、金額が前年から回復しつつあり、黒髪染めは金額が増加、個数は横ばいとなった。また白髪染めをカテゴリー別に見ると、早染めクリーム、クリーム、早染め液、泡タイプ、ヘアマニキュアが減少傾向で、液状、パウダー、カラートリートメント、一時着色料が増加傾向にある。中でも手軽で髪に優しいカラートリートメントの市場が徐々に拡大しており、商品認知が高い30代や、年齢層が若い「泡タイプ」ユーザーによるスイッチ意向が高くなっている。

 ヘアカラーとの併用率では「部分染め」が上昇

 ヘアカラー使用者が併用している商品は、部分染め専用商品が最も多く、カラートリートメントが続く。部分染め専用商品は市場で商品が増え、併用率が大きく上昇しており、中でもマスカラタイプが伸びるなど、市場回復を後押ししている。
 近年、グレイヘアに対応したアイテムも話題を集める。昨年はホーユーが「ビゲン」から商品を投入し、テレビCMなどで認知拡大を図っている。マーケティング担当者は「新しいカテゴリーなので、徐々に育てていくアイテムとして展開している」と今後の成長に期待を寄せる。
 男性用では白髪染めが前年並みに推移する中、新商品の投入が続いたカラートリートメントが大きく伸長。女性用と比べ市場は徐々に回復し、手軽に使える商品として今後の成長も期待される。
 黒髪染めのカテゴリー別では、ブリーチが大きく伸びており、また近年好調なカラートリートメントも引き続き伸長している。黒髪染めは美容院で染める割合が増えており、市販品の利用者が落ち着きつつあるものの、白髪染め同様にカラートリートメントへのスイッチ意向が高い。黒髪染めユーザーは、全体のユーザー数、市販品利用者数共に、30代後半が多く、徐々に白髪染めに移行していく世代として捉えており、市場規模を維持するために付加価値のある商品を提案することで若年層の利用促進を図っている。
 購入場所としてはドラッグストアが最も多く、スーパー、ホームセンター、ECと続く。特にECでの購入は、女性用黒髪染めの構成比が高い。
 新型コロナウイルス感染拡大前はインバウンド需要があり、日本の質の高いヘアカラーを求める観光客も多かったという。そのため各社では外国人に向けたPOPを用意するなど、店頭でのインバウンド需要の獲得を目指している。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」4月3日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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