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【殺虫剤・虫ケア用品市場】「蚊に効く」商材拡充で空間用虫よけ堅調

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【殺虫剤・虫ケア用品市場】「蚊に効く」商材拡充で空間用虫よけ堅調

 カテゴリー別では人体用虫よけが約50%増、空間用虫よけが約5%増

 4月上旬までの累計は約10%増
 殺虫剤・虫ケア用品の商戦が今年も開幕した。昨年の市場は、前年比4%減と苦戦したが、コロナ前の2019年比では9%増とコロナ禍で獲得したユーザーの囲い込みが見られている。
 今年の市場は3月の平均気温が観測史上最も高かったことがプラスに作用し、4月9日までの累計では約10%増で推移している(当社推計)。ただ、今春は各社の一部商品の価格改定などもあり、一概に市場が「好調」とどこまで判断できるかは難しいところ。また、天候や気温によって売り上げが大きく左右されるという市場の特性から、この時期のプラスが最終的に全体をどう押し上げるか予測がし難い。
 コロナの規制緩和で市場に大きな変化
 今年ここまでのカテゴリー別の動きでは、人体用虫よけが約50%増、空間用虫よけが約5%増の実績を収めている。
 人体用虫よけは、これまで外出自粛で苦戦が続いていたが、今年はコロナの各種規制緩和による外出機会の増加が大幅な前年比増につながっていると考えられ、肌を露出する今後、更なる勢い増が期待できる。
 空間用虫よけについては、コロナの感染拡大が始まった2020年に、おうち時間の増加が影響し、25%増の126億円と拡大した。昨年は市場全体が落ち込む中でも、同等の金額を維持。この背景には、防除用医薬部外品として「蚊に効く」をパッケージなどに表記できる高単価なプレートタイプの存在が大きく影響していると思われる。
 「蚊に効く」タイプは、昨年、大日本除虫菊が業界に先駆け展開し、市場全体の数字の上乗せに貢献した。発売2年目は更なる市場構築が流通関係者からも想定されている。また、トップシェアメーカーのアース製薬も、今年本格展開を開始するなど、店頭での占拠率は一気に高まりを見せている。

 ダニ用は今年も約4%増で推移

 ダニ用が引き続き好調、各社が展開拡充
 その他、3月の気温の上昇もあってか、ゴキブリ用やダニ用も好調。特にダニ用は伸長が続いており、市場全体の落ち込みが見られた昨年も4%増と健闘、今年も約4%増で推移している。
 アース製薬は、ダニ用ではプラグ式虫よけ「マモルーム」を昨年発売、ゴキブリ用では1度で1年効果が続く「ゼロノナイトGゴキブリ用くん煙剤6~8畳用」を今年発売した。大日本除虫菊は新市場を構築した「ゴキブリムエンダー」の更なる売り上げ増に向け販促を強化。フマキラーは「ゴキブリワンプッシュプロ」のリニューアルに加え、ダニ用、網戸・窓ガラス用でもアイテムを投入するなど強みのワンプッシュ剤を拡充、と三者三様に独自色を打ち出している。
 ダニ用については、それ以外の中堅メーカーでもシートタイプを中心に品ぞろえを拡充するなど、更なる市場の活性化に期待が寄せられている。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」5月1日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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