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【市場調査】ミンテルジャパンレポート2024/日本と世界各国のサンケア事情分析

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【市場調査】ミンテルジャパンレポート2024/日本と世界各国のサンケア事情分析
欧米は意識高い「皮膚がん」などの健康対策、シミ・シワ予防高い日本

 世界13カ国にオフィスを構える市場調査会社「Mintel Group」の日本法人のミンテルジャパンは「ミンテルジャパンレポート『サンケア・トレンド―日本―2024年』」にて、サンケア市場が成長を続ける中、日本では新しい日やけ止めのトレンドが鮮明になっていることを明らかにした。消費者が求めているのは「紫外線から肌を守る機能性」「美肌効果をもたらす美容価値」「毎日続けやすい使いやすさ」の三つを兼ね備えた製品で、これらの要素を持った多機能型の日やけ止めが、日本の次世代サンケア市場をリードする兆しがあるという。以下、レポート内容を紹介する。(前後編 全2回/②)

 アメリカでは67%がアンチポリューション製品に興味
 SPFやPAの表示数値には上限が設定されていることが多く、この数値による製品の差別化は難しいため、紫外線防御機能以外の様々な訴求による日やけ止めの特徴づけも行われている。例えば、アメリカの消費者の67%は大気汚染への抵抗力をつける製品に興味を示し、これに対応した製品が数多く存在する。「Fluid Face Cream SPF50+」はブルーライトからの保護の他、皮膚の鎮静化や汚染物質防止機能も備えるマルチな日やけ止め。美容効果を付与する例も多く、世界ではナイアシンアミド配合の製品が増加中。また、安全性や使い勝手の良さも重要な訴求ポイントとして挙げられる。
 先に記したようにアメリカの消費者の67%は大気汚染物質への抵抗力をつける(アンチポリューション)製品に興味を示している。ブラジルの日やけ止めユーザーも30%以上がアンチポリューションへの興味を示している他、53%はブルーライトにも注目している。日やけ止めは既に紫外線ケアに留まらない、マルチな防御機能を求められつつある。 
 日本では健康リスク対策よりも、目的はシミ・シワのケア
 日本人が日やけ止めを使用する理由は、欧米のような皮膚がんリスクを減らすためなどの健康リスク対策ではなく、シミを防ぐ、シワ・たるみを防ぐなど美容目的が多い。この傾向は特に女性に顕著で、シミを防ぐために日やけ止めを使用している女性は8割以上。 これが男性の場合は「日やけで肌が痛くなるのを防ぐ」を挙げる人が女性より多く、レジャーなどでの強い紫外線を想定していることがうかがえる。 
 日やけ止めユーザーが製品購入の際、最も重視するのは「SPF/PAの高さ」で、20%が1位に選んでいる。
 一方、5位までの合計では「使用感の良さ」がSPF/PAを上回る。また「価格の低さ」はスキンケアでは非常に強い購入条件だが、日やけ止めの場合は上記二つと「使い勝手の良さ」に次ぐ4位というのも、この製品種の特徴と言えるだろう。 そして、日やけ止めを使用しない理由で最も多いのは「面倒くさいから」だが、非使用者男性の20%は「適度な日やけは健康に良い」(女性非使用者は8%)と考えており、紫外線に関する情報が行き届いていない状況もうかがえる。
 POLA「B.Aライトセレクター」が大ヒット
 ミンテルが行った消費者調査結果によると、日やけ止めを使用している日本人女性の46%は、日やけ止めに軽いメイクアップ効果を求めている一方、塗布後の透明性はあまり重視していない傾向がある。美肌効果を持つ日やけ止めの需要は高いと言えるだろう。
 POLA「B.Aライトセレクター」は、紫外線と近赤外線はカットしながら、肌に良いとされる赤色光は透過させることで、肌を守りながら、赤色光による光美顔器のようなケアをするという発想の日やけ止め。これまでにない新発想のこのアイテムは、業界内の注目度が非常に高く、2020年のベストコスメを総なめにする勢いだった。24年に改良し、そのコンセプトを更に進化させている。
 日本人で、何らかの日やけ止め製品(日やけ止め効果のあるメイクアップ製品やスキンケア製品、サプリメントなど含む)を使用している人は、全体の6割に達するが、女性は85%が使用しているのに対し、男性は36%と大きな差がある。

(詳細は「日用品化粧品新聞」5月26日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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