UVカットだけでなく、様々な付加価値化で活路見いだす 日やけ止め
スキンケア機能や使用感の良さなど、プラスアルファ要素を訴求
UVカットだけでなく、様々な付加価値が求められるようになっている日やけ止め。様々な付加価値が求められるようになっている日やけ止め。コロナ禍での苦戦は続くものの、メーカー各社では肌を綺麗に見せたい、スキンケアにつなげたいといったユーザーニーズに応えるアイテムを市場に提案し、話題となっている。
個数、金額とも引き続きマイナスに
経済産業省によると「日やけ止め及び日やけ用化粧品」の2021年実績は個数が1億631万4190個で前年同期比10・3%減、金額が500億5837万円で同7・0%減と、前年からマイナス幅は縮小したものの、続落となった。この要因は、やはり新形コロナウイルスの影響。UVケア意識の高まりによる通年商材化、低年齢からの使用の促進、インバウンド人気などから近年、市場は大きく拡大してきたが、在宅時間の増加や旅行・レジャーの自粛などで逆風となっている。
ただ昨年下半期以降は、単月比較でプラスとなる月もあるなど、ゆっくりとではあるが回復傾向も見て取れる。多彩な付加価値品が市場をにぎわせており、今後の市場展開に注目が集まる。
メーカー担当者は「外出自粛から、アウトドアやレジャーで使う頻度は減ったが、スキンケア要素、肌を明るく演出するトーンアップなどメイク要素を加えたアイテムを日常的に使うというケースは増えているようだ。これまで各社では日やけを防ぐ機能を訴求してきたが、高いUVカット効果はもはや当たり前で、スキンケア機能や使用感の良さ、また綺麗に見えるといったプラスアルファの要素を訴求することが増えており、これらのアイテムは数字が落ちていない。ユーザーニーズに対応するアイテムを提案していくことで、市場回復につなげたい」と今後の展開に意欲を示す。
新たな技術、成分、剤型を用いて提案するアイテムを投入
スキンケア効果、メイク効果をアピール
今春は、各社が新たな技術、成分、剤型を用いて提案するアイテムが目白押しだ。資生堂「アネッサ」は、世界初の成分アプローチ「サンデュアルケア技術」を採用し、紫外線をカットしながら太陽の光をスキンケア効果のある光に変換するという独自技術を搭載した「アネッサデイセラム」を投入した。同社150周年を記念した新たな付加価値商品と位置付け、期待は大きい。
コーセーコスメポート「サンカット」は、泡状で吐出する新感覚の使い心地が特長の「プロディフェンス オールインワンUVムース」を展開。ふわっと軽いミクロ泡が肌への塗布時にムラなく広がり、素早く薄膜を形成できるだけでなく、美容液64%配合の太陽光ダメージディフェンス処方で明るい素肌へと導くなど、多彩なこだわりを盛り込んでいる。更にはノーカラーでありながら立体パールやシークレットパールを配合した“光トリック”で肌を補正して自然なツヤと透明感をアップする「ライトアップUV エッセンス」も投入。手軽に肌を綺麗に見せたいという需要に応える。
また、花王は「アリィー」を全面的にリニューアルし、FSC認証取得紙やバイオマス容器など環境に配慮した素材を用いてサスティナビリティに配慮したブランド「アリィー クロノビューティ」シリーズとして位置付けを強化。。
ロート製薬は、「スキンアクア」から、大人肌向けの美容液パック日やけ止めシリーズ「スキンアクア ネクスタ」を発売。「持続型セラムパック処方」により、肌を整える美容液成分の上からUVカット成分が肌を覆うことで密着度を高め、日やけ止めの塗りムラを防ぐもので、エイジングケア同様に自身の年齢に合った商品を選びたいというニーズの高まりに対応する。
(詳細は「日用品化粧品新聞」3月21日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)